　朝５時４５分起床。

　６時の照明点灯、検温・患部チェックの流れの前にトイレに行っておくいつものルーティンをこなすと、退院日だからか即お風呂。

　ワクワクするけど、いつもとやることは変わらない。でもワクワクする。ワクワクしちゃうんだよ。帰れるんだもん。診察まだかな？　先生、はやくー。

　と、気もそぞろにしていたら、朝食後のトイレでウォシュレットが強になってたのに気付かず悶絶。いつも最弱になってるのをちゃんと確認して座るのに、浮かれ過ぎてたことを反省。気を静め平常心を取り戻す。

　誰だっ、この病棟で強にしてるバカはっ。何を考えてるんだよっ。と荒ぶる心の声を抑えつつ、淑女の自分を思い出すんだっ。

　９時１５分、診察。

　先生、いいですよねっ？　いいんですよねっ？　と表情で圧をかけ（先生は華麗にスルー）退院の許可を貰いました。

　退院後の注意事項を印刷した用紙に強調線や特記事項を加筆しながら、色々と説明してくれるものの、先生の字が達筆すぎてあちこち読めない……けど、あとで根性で読み解けばいいか、と流し、はいはいと景気よく頷いておく。

　あとで読み直したところ、印刷の内容を端的にまとめた感じ？　なにせ、数字の１かスラッシュか、数字の２や３かひらがなか、そこから判らないんだから、読めたのは『軟便の継続』と『（あ？）と１０日間の注意』『軟……』『（１？　／？）ゆるむ…』とかこんな感じ。

　でも、印刷部分で詳しく書かれてたんで問題なし。

【排便に関して】

　術後一ヶ月程で創部がしっかりしてくる（創部が開き術後出血する心配がなくなる）ので、それまでは強く息んだり、固い便をしないよう努める。　

　運動、アルコール、遠方への旅行は控える。

　入院中に固定した緩下剤の量は自分で増減しない。

　術後一ヶ月くらいで内部の傷を確認し、問題なければ緩下剤を減らして普通の固さに近付け、肛門をストレッチしていく。

　恐がってストレッチしないと伸び縮みの悪い硬い肛門になってしまう。肛門狭窄は再度手術になることも。

【痛みと出血】

　術後２週間程で炎症が引いてきて（腫れ止まり）、次の２週間で腫れが引いてくる。

　痛みが強い場合は定時の痛み止めの他、頓服薬で対応する。入浴で下半身温めるのも有効。

　統計ではおよそ術後２週間で痛みのピークの半減➡次の２週間でさらに半減➡術後１ヶ月程でヒリヒリした皮膚の痛み程度➡術後６～８週間でほぼ痛みなくなる。

　大量出血が起きたら昼夜問わず『赤字で電話番号』に連絡し担当の指示を受ける。

【創部の処置】

　浸出液やわずかな血液まで落とす必要はない。

　洗浄後は押し拭きで水気を取り、決して擦らない。

　術後１０日程で縫合糸がほどけてきて、糸が垂れたりガーゼに付着したりするが心配いらないので、自分で切ったり引っ張ったりしない。

【退院後の通院】

　退院後３日以内＋７日＋１４日＋１４日が理想。３日に一度記入の自己調査票を持参し、担当医の診察日に合わせ、予約来院する。

　他に手術内容記入した用紙の封筒を渡され、事故や病気で他の病院に行くことになったらこれを渡すように、と言われた。出先にも持ち歩くように、って。

　至れり尽くせりの注意を受け、３日後の予約を取り、部屋に戻ったら着替えて退院準備していいですよ、のお許しを貰う。

　最短記録で着替えて荷物をまとめ、忘れ物がないかチェックしていると、ちょうどいいところに、いつもお風呂の準備やベッド周りの掃除に来てくれてた清掃スタッフの人が探すまでもなく現れたので、退院の挨拶とお礼を言ったりしながら、退院後の薬の説明に薬事課から、会計計算が出来たら会計課からそれぞれ人が来るのを待ち焦がれます。

　はいはい、入院中と同じ薬ね、了解です。軟膏は次の診察まで保つと思うけど、一応追加で貰っときます。頓服は使ってないので全部残ってます。

　はいはい、支払いは入院時に渡した５万円の預かり証渡して、一度、５万円返してもらうんですね。で、トータルは如何ほどに……？　

　なるほど。了解です。じゃあ、１階の総合受付で会計します。

　手術、入院費は総額８万９，２６２円。他、Zパッドの追加を何回か、自宅用にドーナツクッションを購入するなどの、ちょこちょこっとした出費はありましたが、そんな感じ。

　そして、私は７泊８日の長い病院生活を終え、無事に娑婆に帰還したのでした。

　祝！