眠れる獅子は、迷える子羊を手放さない ~私の主は学園のアイドル様~
和希
第1話 プロローグ
「おはよう。僕のお姫様」
朝日が差しこむ、高校の教室で。
机に突っ伏していた私の耳に、麗しい声が降ってくる。
声に応じてわずかに顔を上げれば、超イケメンの男の子。
愛玩するペットを眺めるかのような温かい眼差しで、じっと私を見下ろしている。
「ふふ、今朝もまた眠いのかい? でも安心して」
柔らかい笑みを浮かべ、甘くささやく王子様。
「君の可愛い寝顔は、僕がずっと見守っていてあげる。だって、約束したでしょう? 君のことは、僕が一生守るって」
どよめく周りの生徒たち。
そんな教室のざわめきなど少しも気に留めず、彼はさらに言葉を重ねる。
「だから、もう絶対に僕のそばから離れちゃダメだよ。分かった?」
告白にも似た大胆なその響きに、私は耳まで熱くなって、恥じらいを隠すようにふたたび机に顔を伏せた。
ひ、人違いです……。
どうか私に構わないで……っ。
×
これは、とある【異能力】を持つがゆえに悩みを抱える少女と、
そんな彼女を守り通したいと一途に願う純粋な少年との、
甘くて不思議な恋と青春の物語――。
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