最凶最悪の魔女と森で爛れた生活を送る、その夫の可能性がある俺

第18話

「さあ、冒険者として初仕事よ！バリバリ野獣を狩るわよ！！」

　・・・こういうのって、せめて魔獣とかでは？

「ケンが言うところの魔獣もいるけども、その区別にどういう利点があるの？何にしろ逃げるか、襲い掛かってくるかしかしないのに。」

　そりゃごもっとも。ええと、グレートジャイアントベアの討伐？もうちょっと名前にひねりを入れたげても・・・

「でもそいつ、そうとしか言えない格好してるわよ？さっ！行くわよ！私が相手すると塵も残らないから、ケンが殴り倒してね♡♡♡」

・・・・・・・

　意外に簡単にエンカウントしたわけだけど、うん、確かにこいつグレートジャイアントベアだわ！！

「あ、最悪ケンなら持久戦で勝てるけど、しっかり撲殺した方が楽よ？」

　オーラムみたいな美人がにっこり笑ってこんな事言うと、悪の組織の女ボス感が半端ないな。あ、これ、絶対オーラムの悪評の原因の一つだわ。あいつ、悪気無くこういう事するからなぁ。

　とりあえずそれは置いといて、今、何よりも問題なのは、あのクマ野郎が物凄く殺る気満々で、こっちに猛烈な勢いで迫ってきてるってことだけども。あんなアフリカゾウみたいな大きさのクマが自分に向かってくるのなんざ、ぞっとしねえんだけど！

「ほら！ケン！！ボーっとしてないで迎撃して？とりあえず、鼻っ柱に掌底ぶち込むのがいいじゃないかしら？」

　いやお前そんな簡単に言うけどなぁ・・・

・・・・・・・・

　いやぁーやればできるもんだな！！まあ、物理法則には勝てなくて、軸足は地面に深くめり込むは、全身あちこち骨折するは、散々な目には合ったけど、一撃であれを倒せるなんて俺もやるじゃん！！

　・・・顔面陥没骨折してめり込んでる奴が、戦闘続行してきたらどうしようかと思ってたけど・・・

　えーとこれをギルドに持って帰ればいいのか？オーラム、浮かせたりできない？

「んふふ♡♡♡愛する旦那様の頼みだもの、そのぐらいするわよ♡♡♡」

・・・・・・・・

　あのクマ野郎・・・野郎って、雌だったらごめん・・・は、結構な収入になった。冷静に考えたらあんな巨獣を単独討伐するのっておかしいよな？これ、もっと大人数で当たる案件じゃあなかったのかな？

「あ、いや、楽しそうだったから・・・てへっ♡♡♡」

　そっかー楽しそうだったからかぁーじゃあ仕方ない・・・わけあるかぁ！！すぐ直ったけど骨折もんのすごく痛かったわボケがぁ！！脱げぇ！！身体で俺に詫びろぉ！！その布面積の少ない服をむしり取ってやる！！

「いや～ん♡♡♡ケンったらケダモノぉ♡♡♡あ～れ～♡♡♡」

　・・・反省どころか、むしろ喜んでそうだが、ヤッてやるぞ！！