第9話
さて、食事に少しばかり興味を持ってもらえたが、食材調達はどうしよう?肉や野菜はこちらにもあるとして、調味料の類は望み薄だしなあ・・・
「とりあえず簡単なものから集めましょうか?えいっ!」
ポンッと音を立てて、突然目の前に食材やらの数々が現われた。
・・・これ、どこから出した?
「近くの町の市場から。やあねえ、代わりに金目の物は置いていってるわよ。」
・・・代金を払ってるならいいか・・・獣の肉は何のものか判別できないが、鶏肉はまあ、鳥類だってわかるな。野菜は微妙に異なるが、概ね同じものと扱っても大丈夫そうだ。海産物がないが、海からは遠いのだろう。あ、そうか。必要なかったから、食器や調理器具の類も無いんだったな。失念していた。
メイン食材は問題なさそうだが、調味用はどうしたらいいんだろう?味噌も醬油も作れたとして、年単位で時間かかるよなあ・・・
「そんなケンに朗報です!!なんと超絶有能美人妻の私が、あなたの知ってるものなら作り出せちゃいます!!まあ、それ相応の原材料を消費するけど。」
おお!!そんなに都合のいい話が!!早速だけどカレールゥあたり・・・
「では、思考の同調に、多くのデータが必要なので、早速だけど、いただきますね♡♡♡」
あ!!なんか都合よすぎる話だと思ってたけど、こんな交換条件あったのか!!まあいい、昨日だいぶんヤッたと思うけど、ばっちこい!!ズボンぐらい自分で脱いでやるぞ!!
・・・・・・・・
「・・・んへぇ♡・・・はい、カレールーってこれでしょ?うーん、獣脂の塊になにか混ぜてるのかしら?面白いわね♡・・・んふふふ♡」
なんか機嫌いいのは良いとして、先にパンツぐらい履けよオーラム・・・あれだけの労働(?)にカレールゥ一箱が見合うのかは非常に疑問が残るが、とにかくこれで失敗せずに、自炊する独身男の心の友、カレーが作れるぞ!!
さあ、オーラムよ、誰が作ったってそれなりには仕上がる、カレーを食らうがいい!!
・・・・・・・・・・
あ、かまどはちゃんとあるのか。火力は・・・魔法石?魔力で火力を調節する?便利なアイテムがあるんだな。自分で開発した?すごいなオーラム・・・こういうのの開発者って、いい人認定されるものでは?
『もう誰が何時発明したとか、誰も覚えてないから無理ね。』
・・・何か引っかかるな、後で詳しく話を聞こうか。まずはカレーを作らないと。
うーん、この米みたいなの、インディカ米だと思えばいいのかな?あれって茹でるんだっけ?今はその方が手軽でいいか。
それっぽい肉と野菜を炒めて、水を入れて・・・計量カップないから、目分量で・・・菓子作りする時、どうにかしなきゃ・・・ルゥを砕いて入れて・・・どうせならフレーク状の高い奴たのんどきゃよかった・・・あとはしばらく煮込んで・・・完成だ!!
よーし、やはりカレーは偉大だ。どうも本来は獣臭い肉だったみたいだけど、しっかりごまかせてるし、野菜も不快じゃない香りの物を放り込んだから、よくあるカレーの若干変化球より程度の差異で済んでるぞ。充分おいしくできてると思うけど、どうだろうか?
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