第13話 次の日

次の日、俺はいつものように起き家族のご飯を用意し身支度をして学校に行った。家族の動物たちはシロとクロ、シマ、アオは起きており、トラ爺はまだ寝ていた。まあ猫はよく寝るからな。俺の家族は賢いので昼食は各自で捕るか俺が用意しておいた食事を食べるかそれぞれの気分で決めてもらう。

「行ってきます。鍵はいつものように開けておくから誰か家にいてくれよ」

《わかったー》シャー

《わかったわい》ンナ~

《はーい》カァー

《はーい》キュッ

《わかったよ》ワンワン

そうして学校に行く。いつもの日常…だが今日からかわったことがある。それは…

「おはよう柊君」

「おはよう和真」

そう、俺に新しい友達が出来たことだ。俺は和真と話しながら教室に入った。

ガラッ

ガヤガヤ ザワッ

クラスの全員がこちらを向いた。

「ん?なんだ?」

「あー…多分だけど僕が柊君と一緒にいるのが初めてだからじゃないかな?」

うんうんと全員うなずいている。

「和真…」

「どうしたの?」

「俺ってみんなに友達いないと思われていたのかな?」

「「「「「違うから!」」」」」

全員が同じタイミングで同じことを言った。

「どういうこと?」

一人の女子が

「ご、ごめんなさい竹林君。竹林君っていつも一人でいるか昨日の三人と一緒だったけど、昨日廊下であの三人に友達やめるって言ったでしょ?」

「あぁ、言ったな」

「それで今日から一人なのかな?と思ったらえっと誰だっけ?」

「黒木な」

「そうそう黒木君。いつも目立たない子と一緒だから驚いたの」

うんうんとまた全員でうなずいている。和真は目立たないことは自覚していたらしいが名前を憶えてもらえなかったことにショックを受けている。

「和真、俺は覚えているから。大丈夫だ」

「柊君…ありがとう」

俺たちが名前呼びをしている事が気になったのか一人の男子が声をかけてきた。

「竹林が黒木を呼び捨てはわかるけど何で黒木が竹林のこと『柊君』って呼んでいるんだ?」

和真はビクッとしたがすかさず俺が

「俺がそう呼んでくれって頼んだんだけどなんか悪い?」

俺がそういうとは思っていなかったのか男子はとても驚いて、

「あ、いや、悪い。責めたわけじゃないんだ。ただ不思議に思っただけだから…」

というとそそくさと立ち去って行った。

キーンコーンカーンコーン

「ホームルーム始めるぞー」

先生が入ってきたので俺たちは自分の席に着いた。

「えーと今六月で二学期の十月に文化祭がある。お前ら三年生は最後の文化祭だ。みんなで相談して出し物決めろー以上。じゃあルーム長あとよろしく」

「「「「「いや、テキトーすぎ‼」」」」」

全員の声が重なった。

「まぁテキトーがちょうどいいだろ。お前たちがしっかりすればいいから」

「「「「「先生もしっかりしてください!」」」」」

やはりまた全員の声が重なる。ツッコミがいていいな、このクラス。

「ハハハ。お前ら仲いいな。大丈夫、何か困ったことがあったら相談乗るから。ほい、ルーム長よろしく」

「はい」

先生とのそんな会話の後ルーム長が進行をし、文化祭でやりたいものを出し合った。その結果

・お化け屋敷

・男装、女装喫茶

・メイド喫茶

・執事喫茶

が出た。

「これ、メイド喫茶だと女子だけ、執事喫茶だと男子だけになるな」

と、ルーム長。

「「「「そうよ!/そうだ!」」」」

全員メイド喫茶と執事喫茶はなしらしい。

「残るは…お化け屋敷と男装、女装喫茶だな」

「はーい。私は男装、女装喫茶がいいと思います」

一人の女子がそんなことを言い出した。

「理由は?」

「いつもと違うものが見れるから‼あと男子の女装みたい!それに、私達も男装したい!」

「「「確かに!」」」

女子が全員男装、女装喫茶に賛成した。

男子は

「女子の男装…見たい。…だが女装は…」

「そうだよな…女装は…」

そんな中一人の男子が

「俺女装してもいいぞ」

「「「な!う、裏切り者―‼」」」

「だってみんな考えてみろよ。中性的な竹林の女装見られるかもしれないぞ?」

「「「⁉」」」

「はっ⁉何で俺⁉だったら和真も巻き込まれろ‼」

「えぇ⁉柊君ひどい‼」

「じゃあ男装、女装喫茶でいい人-」

「「「「「はーい‼」」」」」

俺と和真以外が全員手を挙げた。

「「えぇー⁉」」

「はい、多数決で男装、女装喫茶に決まり。竹林、黒木諦めろ」

「「…わかった」」

俺たちはしぶしぶ納得した。

キーンコーンカーンコーン

「今日はここまでにして衣装とかどうするかまた明日決めよう。これでホームルームを終わります」

「おーし。じゃあ先生は楽しみにしとくからお前ら特に竹林、黒木、頑張れ!ほれ、授業行けー」

「「「「「はーい」」」」」

「先生の期待が重い…」

俺が愚痴をこぼすと和真が

「柊君頑張れ。僕も頑張る…」

「そうだな。和真も完璧な女子にしてやるからな…覚悟しておけ」

「僕もう巻き込まれているから…覚悟もなにのないでしょ…」

朝から俺と和真は疲れながら授業を受けた。

だが、俺はこの話が学校中に広まることをまだ知らない。

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動物と話せる俺はある時、人生が変わった。 黄昏 朧 @tasogareoboro

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