短編小説『旅』
ESMA
旅、それは......
濃紺色のベストにカーゴパンツ姿の旅人が近づいてきた。
「こんにちは、君はどこの国から来たの?」
女性のような透き通る声で聞かれた。
「僕はこの先の遠い遠い国から来たんだよ!」
逆に少年のような声で答えた。
「そこはどんな所かな?」
顔を近づけて更に聞く。
「うーんとね、沢山の人が自由に暮らしてる!」
「そうなんだ、じゃあこの顔の人は見たことある?」
そして懐からボロボロの写真を一枚取り出す。
髭面の強面の男がそこに写っていた。
「あ!この人!!知ってるよ、いつもお菓子くれたり遊んでくれる人!」
「ふーんそうなんだ、これからまた国に戻るの?」
「この先戻る可能性はないかな、今はお母さんとお父さんと旅をしているよ」
「ありがと、お礼にこのお守りをあげるよ」
「本当に!?」
そして、首元から銀色のネックレスを取り出して手渡した。
「元気で」
「お姉さんも元気で!!」
そして女性は腰のベルトにある1
「さあ行こう、男を殺しに」
短編小説『旅』 ESMA @ESMA1456K
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