僅かでも、命取り。
グミ配達員
始まりの章
第1話 突然、ある日。
【橙弥、元気にしてるか?そっちの世界はどうだ?
異世界ものは俺も何回読んだこともあるから確信してる、お前は今100%異世界にいる!
素敵な仲間と一緒に冒険に行って、時に泣き、時に怒る、時にエッチな状況に巻き込まれる…えへへへ(羨ましい)「痛っ!」
とにかく、お前はそっちの人生で楽しく生きてろよ、バカ正直なお前は絶対いい友達見つけるからよ、人間だったり、ハーフエルフだったり、サキュバスだったり、猫耳女だったり…えへへへ】
「あっ痛ぁぁ!」
「もう、真面目に書けないのか?橙次郎さん」
「わーってるよ莉子ちゃん、ちょっと息子と親父息子目線で話してるから、ある意味真面目だよ!人生経験が少ない橙弥にわざわざ教えてるんだから邪魔しないでよね〜!」「もうわかったからとりあえず終わったら見せてね、こんなもの他の人が見たらなんて言われるか、あ~もう怖くなってきた」…スタスタ
莉子は離れて手紙に集中に戻った。
【橙弥、母ちゃん元気だよ、俺がしっかりしていられのも、こうしてまたお前に手紙を送るのも母ちゃんのおかげだよ、本当に感謝感謝!崇め奉る、母ちゃん様々だ】
「よっし、これでなんとなく怒られるのも回避だきそう」
「聞こえてるわよ〜」
やっべ声に出した。
【俺は順調だよ、橙弥みたいな犠牲者はもう絶対に出さないから、世の中の人々も安心していられるのもあと少しだ。あと少しで…】
「橙次郎さん!朝ごはんできたよ~手紙は後で書いて、今日は墓参り行くでしょ?」
遠くの厨房から莉子の声が聞こえ、即返事した
「はーい、いくいく!イクイクー」
「朝から下ネタは辞めなさいって」
「あっ痛ぁぁぁー!」
あと少しで、飲酒運転の事故をゼロにするから
3年前のあの日の夜
橙弥は下校途中の6月中旬、友達と一緒に横断歩道を渡ろうとした瞬間、猛スピードで突進した車が橙弥に直撃し、橙弥は数十メートル吹き飛んだ。車はその後近くのコンビニで車をぶつけ、車は大破損、運転手も意識不明で大混乱が起きた。
橙弥の友達はまだ若く蘇生術AEDや人工呼吸のやり方もわからなかったせいでできたのが救急車と警察への電話、その場に他人も誰も扱えることができなかったため橙弥はその場で死んだ。
友達は同級生、2人いた。名前は栗崎守くんと柿村洋介くん、目の前の橙弥を見て何も出来ずに死んだ友達をただただ見ているだけと翌日彼らから聞いたのを覚えている。今は2人が高校生にもなって、きっと素敵な青春でも送ってるのかな…
まだ橙弥のことも覚えていてくらたら嬉しい。
事故発生後、警察も救急車も到着し、意識不明となった54歳の男性は森本たけし、ごく普通の郵便局で働いている会社員だった。帰宅途中に居酒屋に寄り、お酒をのみ過ぎて車で運転は大丈夫と過信し、その状況に至る。
郵便局で働いる以上、
ま、数億円は郵便局からもらったが、正直、汚い金を触るのが始めてで、2年以上そのお金は銀行で保管されていた。橙弥の死から生まれたお金なんぞ、私利私欲に使ったらそれこそ莉子ちゃんに怒られるのも当然だし、何より、そのお金こそが橙弥であると俺も莉子理解していた。
その事件の容疑者である森本は今病院にて植物状態となった。勝手に命を取って、勝手に病院で治療も受けて、おまけに彼が抱えていた借金も家賃も何もかもがパーになった話だ。永遠に寝たらいいものをっと考えていた俺を覚ませてくれたのが莉子ちゃんだった。
莉子はとっても優しくて賢くて、本当に莉子がいなかったらもう俺も犯罪に手を付けたかもしれない。
「命は平等にあり」そう莉子は言っていた。
ごもっともだ。言い返す言葉もなかった。
例え橙弥の命でも、彼みたいなバカな命でも、同じ命だ。だから、彼が目覚めるまで、法律で正しく裁かれるのを待つしかない。正しく裁かれたら、橙弥もやっと安らかにあっちの世界で冒険出来るしな!
俺と莉子は死後発生5日後にとある決意をした
「日本の飲酒運転を無くす」という。
活動者はいるものの、橙弥が死んだことによってやはり何の解決にもなってないから、俺たちの手でできるだけ日本全国民の耳に届くまで、「飲酒運転絶対に駄目!」を広めようとしている。
YouTubeチャンネルを始め、色んなSNSを活用をし、飲酒運転の根本的な問題を探っているという投稿が多い。だが、なかなかうまく行かないのは当然のことだった。見てさえもくれないのは現実の切なさだ。
そ・こ・で! 莉子ちゃんが自ら打ち出した企画で、30代半ばでアイドルっぽい服装をし、簡単で誰でも歌って踊れる「飲酒運転やめよーよ」という映像を自分たった一人で未経験でありながら作詞・作曲をし、俺の編集作業を加えた結果、あっという間にSNSで累計4億視聴者数に登録者数も400倍も増えた。理由は簡単。
莉子ちゃんはとてつもなく可愛い!
いや、本当に37なの?って思えるくらいの可愛いさ、俺も本当にこういう奥さんがいて恵まれたな…
それでチャンネル名は「安全運転のりこチャンネル」に変わったので、俺が編集に莉子ちゃんがメインで出演、たまに警察の方もコラボで来てるので、いつもお世話なってます!(動画の出演ね?そういう意味じゃないからね?)
俺たちはあっという間に有名人になったけど、まだまだ認知が足りないから、全国各地の演説を行い、観客と一緒に安全運転を学ぼうというのが我々のメインイベント。それはさておき、どんどん人々も安全運転と非飲酒運転を心掛けようとして、減少傾向にあると去年と一昨年の全国交通事故の調査で見つかり、俺たち2人の努力は無駄じゃなかったって大喜びをしていた。
今日、命日ではないけど、橙弥の墓に行って手入れしようと莉子ちゃんと2人で話して、朝ごはんを取っていた。
「墓の管理人さんも元気かしらね?いつも橙弥を見守ってくれて何かお礼をしないと…」
「あぁー、そうしよっか!」
俺と莉子、2人で朝ごはんを済まし、俺は書いた手紙を完成し、2人で出かけた。途中のスーパーで莉子は買い物をして、俺はとりあえずスーパーのとあるコーナーにいた。それは「お菓子コーナー」だった。橙弥はパイの実好きだったからどれを買ってあげよかなって迷っていた。
「いつものチョコ味か、いやいや、新・さくらんぼ味も捨てたもんじゃーないな…」
「よっし、2つとも買おう!」
2つのパイを手に取り、莉子ちゃんのところに戻った
「橙次郎さん?何やってるのかしら?〜」
とちょっと怖い笑い方をした莉子ちゃんが問いかけた
「あ、ご、ごめんなんでもないあはは!」
俺の「オッパイの実作戦」失敗するとは、強敵だぜ、莉子ちゃん!
たまに、思いっきり笑っていてほしいな…
お会計を済ました俺たちは墓へ向かった。
いつもの管理人さんの島さんが迎えに行った。本当に毎日ここの墓を管理してるくらい彼しかいない、60代のとっても優しいおじいさんである。俺もかなり好感度が高い。なにせ、この辺じゃ老若男女に人気の島さんだから、みんなの信頼も得ている。
「島さん、こんにちは! お久しぶりです!」
「おおぉー荒牧さん、こんにちは!お元気そうで何よりじゃよ」
「島さん、こんにちは!」
「…」
今まで説明してもらえなかったけど、俺だけに挨拶してもらえないのが不思議なもんだねー
莉子ちゃんはともかくだ。
莉子ちゃんを無視してる人なら、いくら島さんだからって彼を殴る資格はある!
まーそういうことをしてないから俺は彼のことを優しいおじいさんと認識してるんだ。これからも宜しくね、島さん。
「つまらないものかもしれませんが、いつも橙弥のことお世話になっております!」
「いやいや、どうもご丁寧に、では遠慮なくいただきます」
やっぱり彼は優しいね、本当に毎日墓の手入れをしてるんだったらもうちょっと疲れ気味で良いのだと思うけど、流石にそこまでの気持ちを察することは難しいや、命は平等でも、人生はそれぞれ違うものだから。
「では島さん、私たちはこれで失礼しますね!今日も橙弥を見守ってくれて、本当にありがとうございます!」
「いえいえ、こちらこそ、ゆっくりしていて下さいね〜」
俺たちは管理の家から墓まで移動した。
「橙弥、元気か?好きなお菓子買ったよ〜」
「橙弥、これ!」
莉子ちゃんはゲームのパッケージを出した。
「橙弥が好きなゲームも買ったよ!だいなみっくさっかー?2024だよー」
言い忘れたが莉子ちゃん英語は愚かカタカナまで疎く、カタカナを読むのに必死で、まるで外国人を見てるみたいけど、本当にこれでも高校を卒業し、大学まで入ったからね!あとこれからもびっくりでなんと
漢字検定
1級!!
俺の莉子ちゃんは頭が良いのか悪いのか、でもそんなのどうでも、なぜなら
「可愛いから!」
「橙次郎さん、大声で可愛いを言うのはやめてね」
しまった!また声に出てった
「ごめんごめん!」
謝りながら2人で橙弥を見つめほんの少し莉子もクスッと笑う
「うっふふ」
2人で橙弥と一緒に1時間を過ごして墓の掃除しながらいつまでも橙弥に話しかけた。
手入れも終わり、手紙、ゲーム、お菓子を墓の上に置いて、島さんの所に戻った
「あれ?島さんどこかしら?」
「さぁなうんこかなって痛っ!」
「もう冗談言わないの!」
肘で腹パン、半端ないって
結局島さんを見つけられず、多分もうすぐ戻ってくるだろうと思い、管理の家をあとにした。
翌日
「朝かー
今日何かめっちゃいい日だな!スーパー行ってたまに莉子ちゃんに朝ごはん作らないとだな!笑顔がお似合いだぜって美味しいご飯を口にしながら言ってやろうかなー」っと俺は上機嫌でスーパーに行って買い物をし、家に戻った
「ん?投下箱にお手紙?」
左手でスーパーの袋を持って、右手で手紙を手に取り、家に入った。とりあえず袋を机に置いてようやく手紙の表側を見る
そしてちょっと焦る
「警視庁からだ」
え?警視庁が?俺に?案件?だったらメールでよくね?なんだろうこれ?
と疑問がいっぱい俺はとりあえず手紙を封筒から開封
そしてそこに綴られた文字がたったの一文
それは
「荒牧橙弥の墓が荒らされた」
?????荒らされた!?
え?何?どういうこと?おふざけ?イタズラ手紙?
荒牧だから荒らされたってオヤジギャクをやりたいならひどいからな、センスの欠片もない!かえって失礼!いや、もともと文章の内容は頭に入ってなかった…
墓が荒らされた
それは嘘か本当かわからないけど、今は朝7:30、莉子ちゃんはまだ寝てるけどもうすぐ起きる…
「行くだけ行ってやる」
そうした俺は一人で橙弥の墓まで行ってやった。
そこには警察のサイレンの音も聞こえ、焦り始めた。
本当に何かあったのか?
急いでいた俺は沢山の警官たちが橙弥の墓を囲んでいるのを発見した。
そして警官一人が俺を見て近付いた。
「あの、荒牧橙次郎さんですね?」
なんで俺の名前がバレてるの?言ってもいないのに
「はい、荒牧です。あの、何かあったんですか?」
そういったのも束の間で、俺は片手に手錠をかけられ、警官が発していた言葉に俺は耳を疑っていた
「荒牧さん、あなたを墳墓発掘罪の疑いで逮捕します。」
……………
……………
……………
は?
次回へ続く
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