現実と非現実のちょうど間

「三重県津市西区平山町3-15-7」という場所について語り手である記者の調査記録や、当時の様々なメディアから抜粋される情報や資料などを通して、考え知っていくモキュメンタリーホラー作品。

形を変えて、滝のように登場する実在しない住所についての情報。ネット掲示板の書き込み、バラエティ番組のお便り、不審者情報などなど。あらゆる角度から部分的に得られるこれらの情報の真偽を問うよりも先に、はやく真相を知りたいという気持ちに駆られ、頭の中で取っ散らかっている内に作品にのめり込んでしまいました。

読んでいて納得のいくほどに、ありえそうな現実感のある情報と、少し疑ってしまうようなオカルトじみた非現実な情報。

このまばらさとバランスが妙な不気味さと、フィクションだと分かっていても、本当にこういったできごとがあったのではないかと信じてしまうような、リアリティを醸し出しているのだと思います。

また、物語上で出てきた情報は定期的に登場人物たちがまとめてくれるので、一緒に整理しながら楽しめたので安心でした。

最初はフワフワとしていた足が、物語が進むほどに地へとついていくような心地のよい体験を、是非お楽しみください!

素晴らしい作品をありがとうございました。

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