第1話 夢の中の出来事1
18歳を迎える日の前日、ある夢を見た。
チャリンチャリン
『いらっしゃいませ』と声が響く店内。
今日は髪を切りに美容院に来た。ここの美容院の内装は落ち着いていて、シックな感じがとても居心地がいい。
「ご予約はされていますか」と受付に立ってる男性店員が話しかけてきた。
初めて彼を見た時、整った鼻筋、艶やかな黒髪、綺麗な瞳で今にも消えそうな儚い彼に心惹かれた。
私は戸惑いながらもはいと答える。
男性店員「お名前をお伺いします」
俯きながら私は
「3時から予約の石河花蓮です。」
と応答する。
男性店員が
「いしかわかれん?洋二の娘さん?」
と驚いた表情でこちらを見てくる。
なんで私の父ことを知ってるのかと不思議に思い、
「そうですけど、なんで父のことを知っているんですか?」
と問いかけた。
男性店員『ビィーーーー』
あれ、うまく聞き取れない。まるで砂嵐のような音が被ってきて、なんて言ってるのか分からない。
聞き返そうと思ったその時、私の声を覆い被せるように
「洋二から俺の娘はヤンチャなんだと聞いてたからかれんちゃんの事すぐに気づけなかったよ。僕の想像してたイメージと違って可愛いね」
と綺麗な顔から想像できないくらいかわいい笑顔で私に話してきた。
かわいい?わたしが?
耳を疑う程、こんな綺麗な人に言われるなんて思いもしなかった。胸の鼓動が止まらない。
可愛いなんて人生で一度も言われたことがない訳でもあるまいし、、
「え、あ、」と戸惑ってた時に女性店員が会話に入ってきた。
「コラ。お客さんをナンパしない。」
と書類で男性店員の頭を叩く。
「ナンパなんかじゃないよ」
と笑いながら答える男性店員。
仲慎ましく会話してる二人を見て、なぜかこっちまで微笑ましくなってくる。
そして女性店員が
「お客様、席にご案内します」
と言ってきた。
この後もイケメン店員さん、まだここに残ってるかな…
父の事ももっと話したいし、思い切って聞いてみた。
「この後もここにいますか、?父の事ついてもっと話したいです、、」
すごく胸の鼓動が早い。穴があったら入りたいくらいの恥ずかしさだった。でも後悔はしてない。
すると男性店員が
「ごめんね、今日はもうバイト上りなんだよね。でも、明日もこの時間にいるからまた来てよ!」
と結託もない笑顔で言ってくれた。
本当に嬉しかった。私のために時間を空けてくれることが嬉しすぎて、今にも胸が張り裂けるくらい幸せな気持ちでいっぱいになった。
こんなかっこいい彼にまた明日も会えるなんて
思いもしなかった。
そしてましてはそんな彼に可愛いと言われるなんて、、、
今日は胸が躍るそんな1日だった。
明日もここに行こう。こんなに明日が待ち遠しいと思うなんていつぶりだろう。
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