【モブキャラの私が、悪役令嬢を極めて999日!〜悪役令嬢を絶対に幸せにさせます!?〜】
@Aria_Kagami2024
【第一話 乙女ゲームの転生者(モブキャラ)】
「私がなりたいものは、ただ一つ!それは、悪役令嬢!!!」
___朝起きたら、何故か私は高級そうな布団の上で目を瞬いていた。
ーーいや、違う、これは私(前世の姿)じゃない。それにこの世界、未来感が凄い。…まさか、転生!?
そう思った。
が、案の定、それは正しかった。しかし、私はややガッカリとしていた。
なんでかって?それは__
ーーだって、こんなのありきたりの転生じゃん…それに、悪役令嬢をゲームで拝めないし……日課なのにっ…
と、思ったから。オタク思考すぎて、逆に凄いのでは?と、我ながら思ってしまう。いや、本当に。
でも、せっかくもう一度日本人として転生できたのなら、未来の乙女ゲーでもやって、悪役令嬢を眺めよう、そう思い、前向きになった。
それと、今世ではもう少し明るくなろう。前世の陰キャはもうやめだ!今世では陽キャになって楽しい毎日を過ごしてやるんだから!
せっかくなら、可愛い子になってたらいいなぁ、などと思って鏡を見た瞬間、私は悟ってしまった。これは_
「まさか、まさかまさか、『乙女ゲーム』の世界に転生してしまった!?のでは?」
そう思うのも無理はない。
なぜなら、水色のセミロングの髪、翡翠の色の瞳。少しオドオドした雰囲気の顔。かなりの美人だったから。流石に、日本人ではない。
もしや、と思い私はここで少し様子を見つつこの子の性格を探ろうと思い、時間をおいてみることにした。
そして数日。
「やっぱり、『乙女ゲーム』の世界だっ!」
この世界で暮らしてここは乙女ゲーム(仮定)の世界、少なくてもなにかのゲームの世界だということに気がついた。
最初は髪もウィッグかと思って、引っこ抜いてみたりしたのだが、地毛で水色だった。
流石に外人でもここまできれいな水色はいないと思った。
次に、なんだか、かなりのお嬢様なようで、内装が、ゲーム的な、それも乙女ゲームによく有りそうな感じだった。
さらに、そこに使えているメイドの顔面偏差値高すぎた。これはヤバイ。ただですら、美人に免疫のない私にとって、ここは天国とも地獄とも言える場所だった。
そして、もう一つ。もしここがゲームの世界で正しいのなら、悪役令嬢が存在する、ということ。これは重要すぎる。私は、顔立ち、立場からして、モブな気がするが、あわよくば、悪役令嬢と友達になれるかもしれない。これは本当に、意地でもなりたいし、達成したい。
そこで、私が考えたことはただ一つ。
【悪役令嬢になって、真の悪役令嬢を助ける。ヒロインなんかには負けない。】
ということだ。
前世でもかなりの人が疑問に思っていたはずだが、なぜ、私がこんなにも悪役令嬢を推しているのか。それは、単純に好みの問題、捉え方の問題なので聞きたくない人は聞かなくてもよいのだが、ずばり、実は素直になれないだけで、相手を思っていたり、相手のために行ったことが、可愛いから。本当に、オタクなのかもしれない。特に、つい先日まで前世でプレイしていたゲームなんかは、ツンデレで、本当に良かった。できることならあと10周くらいプレイしたかった…
それに、そういうところがなくて、根っから悪役だったとしても、カッコいいし、ヒロインに立ち向かえる勇気を尊敬する。というか、私は悪役令嬢の凛々しさをほんとに凄いなと心底思っている。
そして、乙女ゲーっていうのは悪役令嬢は元々愛し合っていた人との婚約破棄が付きものだ。ヒロインのせいで。これだけは避けさせたい。悪役令嬢のいる世界に来れたのなら、せめて、幸せにしたい。
この世界の悪役令嬢はどんな子なのだろう。そのパートナーは?考えるだけでゲームができない憂鬱な気持ちが収まる。
メイドに聞いた話だと、学園入学までまだ、3年以上ある。この間に令嬢と知り合えたらいいのだが、流石に無理だろう、ということで、私も悪役になろうと思う。
なんでこの流れで?と思ってるそこの人!
さすがに、わかれ、と言われても無理だとは思う、でもねぇ..
わからない?この気持ち。せっかくなら、一度はなってみたくない?あの、憧れの悪役に。
せっかくゲームの世界に生きれるんだから。きっと私が悪役なら親近感湧いて悪役令嬢さんも話しかけてくれるだろうし!(下心満載)
いや、私がなれないって?そんなわけない。入学してからがきっと物語の始まりだろうし、悪役を極めるにはまだ時間がある。
「私がなりたいものは、ただ一つ!それは、悪役令嬢!!!」
ーー悪役になるために、悪役の秘訣とか、今日やったことをまとめるノートとか、作って、それで…んふふっ、今からでもすっごい楽しみ。神様!ありがとう。こんな陰キャオタクを転生させて天国のようなところに連れてきてくれて。ついでに悪役令嬢と友だちになれたらなお最高だよ!
そんな下心満載な私、(今世ではクラーツェ・シセトリトらしい。)ゲームを一変させるその瞬間だった。
次の更新予定
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