12/5 泣いて笑ってグラタンスープ

 泣葱は切ると涙があふれてくる。これは葱の刺激成分が鼻を通って目を刺激するためである。

 笑葱は焼くと笑いがこみあげてくる。これは葱の笑気成分が熱によって揮発するためである。

 ある意味使いづらい食材だが、味の方は格別だ。そのため店で安く手に入るのは助かる。

 今回はグラタンスープ風に仕上げてみた。大陸西では、出汁は獣からとるので、西風出汁は東風出汁には無い濃厚さがある。それが熱された葱と合わさって最高のオーケストラのような味を奏でるのだ。

 また、使ったパンはカレッサ地方で焼かれる田舎パンである。これは都会のパンにはない濃い風味あるため、グラタンスープによく合う。



・泣葱と笑葱を薄切りにして、小鍋に入れキャラメル色になるまで炒める。ひたすら炒める。泣こうが笑おうが炒めるのだ。

・炒めた物に、西風出汁を加えつつ、炒めた時に鍋についた焦げ目を出汁の中に溶かすような感じで混ぜる。西風出汁は粉状の物を買うのが最も簡単かつ間違いない。一から作るのは家庭ではかなり難しい。

・このままではただの葱スープなので、これにカレッサ風パンを切ったものを入れ、熱するとねっとりとろけるタイプのチーズを入れる。

・じっくりチーズ表面に焼き色を付け完成。小鍋から器に移すときにチーズが伸びれば最高だ。

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