盲目の女剣士は悪を裁つ

  • ★★★ Excellent!!!

まず、世界観がとても面白い。
江戸時代の日本を想起させる地に、異邦の魔法少女や魔物が登場する。
昨今のファンタジーで慣れ親しんだスライムやガーゴイルが、河童などとともに現れ事件を複雑化していく流れは斬新である。
登場人物たちもまた、一癖も二癖もあり味わい深い。
盲目だが凄腕の女剣士は、一度親友である刀をぬけば鬼神の強さを誇るが、自身の美貌には気付かずへちゃむくれを自称し、また食い意地が張って可愛げもある。
ロシア語で呪文を唱える魔法少女は、片言で喋り一見愛嬌があるものの、魔法少女というには腹黒く抜け目がない。
話の展開もツイストが効いていて、物語が進むにつれて事件に隠された悪巧みや陰謀が明らかとなっていく。

ファンタジーは好物だが、ありきたりなファンタジー小説に食傷気味の方は必読です。

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