第3話 遊び人のステータス


 レベル99だって!?

 俺、遊び人でカンストしているじゃないかっ!

 いきなりのチートである。

 以下は遊び人のパラメータと所有スキル一覧だ。


 力  :157

 早さ :194

 体力 :149

 賢さ :201

 運  :255

 HP :493

 MP :3


 遊び人のスキル

 口笛:魔物をおびき出す。

 空気を読む:対象の気持ちを敏感に察する。魔物の気配もわかる。

 モミモミ:気持ちのよいマッサージ

 石なげ:上手に石を投げる

 ツッコミ:敵に対して強打撃。味方には麻痺や洗脳を解く効果。

 いかさま ギャンブルの勝率が+25%

 ジゴロ:年上の女性にやたらとモテる

 すごい口笛:和音が出せる。対象の心をくすぐるメロディーを吹ける。

 百発百中:100%の確率で石をぶつける。

 ものまね:対象の姿かたちをまねる。

 スター・ダンサー:どんなダンスでも踊れる。

 すごいモミモミ:魔力を込めるマッサージ。けがや病気の治癒ができる。

 お宝への嗅覚:埋められたお宝だけでなく、お買い得な品物なども敏感に察知する。

 すごいものまね:対象に化けることができる(対象者のパラメータの70%)

 ペッソルガー:何が起こるかわからない魔法(保有魔力のすべてを消費する)

 伝説のギャンブラー:強運の持ち主

 究極奥義『行雲流水こううんりゅうすい』:あらゆる攻撃を受け流す


 遊び人とはいえ、カンストしているだけはあり、非常に有能な気がする。

 もっとも、他の職業のパラメータやスキルと比較はできないのだがね。

 なにせ、『ダウシルの穴』をプレイしたのは十年以上も前のことなのだ。

 自分の数値がどれくらい有利なのかは判断できない。

 ひょっとしたらレベル10の戦士だって『力』の数値は100くらいあるかもしれないからね。

 ただ、俺がプレイしたルマンド(聖騎士レベル20)よりは有能な気がするな。


「あれ?」


 俺はステータス画面のいちばん下に小さく書かれた『リバーシブルステータス』という文字に気がついた。

 リバーシブルステータス:裏面に進めます。

 文字の横には『→』のマークがついている。

 ひょっとして裏設定でも見られるのだろうか?

 ここをクリックすれば裏画面に進めるようだが、『ダウシルの穴』にこんなシステムはなかったぞ。

 やっぱりここは俺が知っているゲームの世界とは少し違うようだ。


「……へへっ」


 我知らず笑ってしまった。

 いきなりこんな世界へやってきて、本来なら不安しかないだろう。

 でも、俺は少しワクワクもしている。

 物心ついてから、ずっと真面目に生きてきた。

 小中高と地方の公立高校へ進み、勉強は苦手ながらも地元の大学へなんとか進学を決めた。

 それなりに努力もしたよ。

 就職活動だって頑張った。

 そのかいあってか、比較的いい会社に就職できたと思う。

 労働環境は少し厳しいけど、給料は悪くない。

 上司も常識のある人だ。

 だけど、それだけの人生だった。

 朝に家を出て、仕事をして、帰って、ゲームをするかネットをするかの毎日だ。

 社会人になってからは恋人もいない。

 休日は寝てばかりいる。

 遊び人、それもいいじゃないか!

 これだけの能力があれば、『ダウシルの穴』の世界でのんびりと生きていくことは可能なはずだ、 そんな気にさえなってくるのも当然のことだろう。

 さて、裏面はどうなっているのだろうか?

 俺は心を躍らせながらステータス画面をめくった。

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リバーシブルステータス ~異世界で気ままな遊び人をやっています、でも…… 長野文三郎 @bunzaburou

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