第15話
いつの間にか音楽は終わり、ブルーシートの上でスマホが光っていた。
手を伸ばし覗き込むと、メッセージが届いている。
八月十三日、午後四時のメッセージ。それは理央が消えた時刻。
なんの知らせなのかは、わかってる……。
覚悟を決めて、震える指でメッセージを開いた。
「理央っ……」
その内容に目を見開く。
座り込み天を仰ぎ、大声でわんわん泣いた。
ひとしきり泣きじゃくった後でハッとして立ち上がる。
行かなきゃ、理央のところに。
慌てて荷物を片付けて、丘を下り始める。
気持ちだけが先走りして、足がもつれそうになった私の目に、大きな流星がうつりこむ。
一瞬だけ足を止めて、また祈るように星を仰いだ。
「ありがとうございます、ありがとうございます!」
大きくお辞儀してから、理央の病院に向かって走り出す。
手の中に持ったスマホが次々と同じメッセージを受け取っている。
『理央、意識が戻ったってさ!!』
――ペルセウスを探しに――
ペルセウスを探しに 東 里胡 @azumarico
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