第14話
どれぐらいそうしていただろうか。
ジジジジと草原で鳴いていた虫の声が止み、同時に蒸し暑かった丘に、一瞬爽やかな風が吹き抜けた。
それを合図に目を開けたら、そこに理央の姿は、もうなかった。
「理央……、理央、理央ってばあああ」
私の声だけが、いつの間にか白け始めた空に響きわたる。
ピュンと流れた星に、わかっていても願ってしまう。
いつか、なんて待ってられないから、早く来てね?
神様だって困ってしまうような願いごとを凝りもせずに、泣きながら祈る。
理央は、今どこにいるの?
まだ残る星の中に、隠れている気がして、理央を探す。
これからも、私はきっと、星を観る度に理央をのこと探してしまうだろう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます