第14話

どれぐらいそうしていただろうか。

 ジジジジと草原で鳴いていた虫の声が止み、同時に蒸し暑かった丘に、一瞬爽やかな風が吹き抜けた。

 それを合図に目を開けたら、そこに理央の姿は、もうなかった。

 

「理央……、理央、理央ってばあああ」


 私の声だけが、いつの間にか白け始めた空に響きわたる。

 ピュンと流れた星に、わかっていても願ってしまう。

 いつか、なんて待ってられないから、早く来てね?

 神様だって困ってしまうような願いごとを凝りもせずに、泣きながら祈る。

 理央は、今どこにいるの?

 まだ残る星の中に、隠れている気がして、理央を探す。

 これからも、私はきっと、星を観る度に理央をのこと探してしまうだろう。

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