確保する時
「お待ちを、当行員として私も人質として同行しましょう」
「待ってください、あなたは……」
「おお、丁度いいな、この女がいきなり暴れねえとも限らねえし」
この三田っていう行員の人質はあっさり許可をした、そうするとやっぱり……。
そして犯人と私達は裏口まで移動し、犯人は外の警官に呼びかける。
「おい、車と金をさっさと持ってこい、もう10億でなくてもいいから集まった分とっとと用意しろ、さもないとてめえらの仲間とこの人質を殺すぞ」
「その必要はない、お前達をこのまま確保だ!」
「な、何だって!」
1人の警官がそう言うとどこからともなく機動隊が現れた、そうかもう密かに銀行近くに潜伏し、チャンスをうかがっていたんだ。
「ちょ、なんで私まで、私はここの銀行員なんですよ」
「ああ、だが三田博、お前がこの強盗グループとつながりがあった事は調べがついている、この山名巡査からの要請でな」
「何?」
やっぱりこの三田は犯人グループの仲間だったか、そう思っていると宮原先輩がやって来た。
「いやあ、同期がサイバー課にいてな、違法賭博のデータベースにお前の名前が発見されたしな、そこからお前が借金、そして度々共に賭博をしている他3人の名前もな」
「……、ふう、お前がポリ公だって分かっていたら、とっととぶち殺していたのによ、まったく上手く隠しやがって」
「違法賭博したうえに、銀行強盗なんて、どうしてそこまで罪を重ねるんですか?」
「賭博はちょっとした遊びのつもりだった、ところが借金が膨れ上がっちまって、まともに働いても返せねえ額になってしまった、だから俺達はこうするしかなかったんだ」
「こうするしかなかった?それでおじいさんが死にかけて、赤ちゃんが怖い思いをしたんですよ!」
「ああ、うるさいなあ、他の奴らがどうなろうと俺達はどうでもいいんだよ!」
なんて身勝手な言い草、そもそも大金に目がくらんで違法賭博に手を伸ばしたのはあんたらじゃない。
「あとは署でゆっくり話を聞こう、連行しろ!」
「はい!」
現場を指揮していた刑事が警察官に連行の指示を出すと私と宮原先輩にも声をかけた。
「お手柄であったぞ宮原巡査長、山名巡査」
「ありがとうございます!」
「ありがとうございます!ですが自分は頼まれごとをしたに過ぎません、山名巡査の情報提供のおかげであります」
「だが山名巡査は非番であったし、正式な手柄にはならんのか、まあ上司からお祝いでもしてもらいなさい」
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