第3話

賑やかだなー…。

ボーッとそんなことを考えながら鞄の用意をしていると、もっと賑やかな声が廊下から聞こえてきた。



それはもはやこの学校の風物詩的なものだ。


ガヤガヤ、キャーキャー。

男子も女子も騒ぎ立てる。

夜叉やしゃの幹部のお出ましだ。




「コタロー!一緒に倉庫行こうぜー!」




教室の入り口でそう叫んでるのは夜叉っていう暴走族の幹部の天野あまの

虎太郎も夜叉のメンバーで、準幹部らしい。




「おー!ちょっと待って!」




天野は俺らと同い年で、虎太郎とは仲がいいらしく、よくこうやって虎太郎のことを迎えに来てる。



入り口で待っている天野は、金髪で制服も気崩していていかにも不良って感じ。

だけどなぜかこの学校ではとてもモテる。

暴走族なんて普通人気なんてないと思ってたのに、歩いてるだけでざわつくほど人気者だ。


…それは天野だけの話ではないけど。


まぁ確かに全員顔がいい。

それに夜叉は汚いことはしないって有名。

憧れみたいな感情を抱く奴は多いんだろうな…。




「じゃあな!律!」

「ん」

「また明日!」




そう言うと鞄を持って天野のもとへ走っていく虎太郎。


2人はそろって教室を出ていく。

廊下がまた騒がしくなったのは言うまでもない。



虎太郎が帰った後に俺も席を立って学校を出る。

それが入学してから毎日の流れだ。

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