あとがき

 茉侑子と未冬の物語に決着がついたので、ここで完結となりました!

 お付き合いいただいた方々、本当にありがとうございました。なにぶん経験不足ゆえ、試行錯誤しながら書いておりましたので、至らない点が多々あったかと思います。

 しかしながら暖かいコメントや反応をいただけることを励みに、ここまで続けさせていただくことができました。ひとえに交流してくださるみなさまのおかげです。

 また、一つの話をこんなに長く書いたのは自分では初めてのことでした! 途中の人物紹介などを除くと九万字くらい? 中編小説くらいの文字数はあるのでしょうか(わからぬ)。

 かねてより読書は好きなのですが、いざ自分で書いてみると本当に難しいことがわかり、ますます「本ってカッケー!」という気持ちが高まりました。

 書いてみたもののボツにしたエピソードなどもありましたし、アップした時はこれ以上直すとこないッ! と思ったのに、あとで読み返すたびに『きしょ!』と叫びたくなる……等々、色々と悩むことが多かったです。反省点については、あとで自分用のメモとしてまとめます。


 物語の最後に踊って終わる、というのは、自分の中では夜風(詩歌)とカラオケ行くシーンあたりで決めていました。しんみりしたラストにはしないぞ! といいますか(ダンスは笑顔で待ってる)。

 なお、茉侑子が未冬とふたたび結ばれる(または三角関係になる)展開は、まったく考えておりませんでした。それを期待してたという方は、おそらくいなさそうですけど…!

 むしろ、元カノ・未冬による「友達」の呪縛に、主人公・茉侑子はノーを突きつけられるか? というのが、二章以降ずっと主題となっていました。


※一章にあたる部分のみの短編だったときは「アンチラブコメ」がテーマでした。

『すーくん』という地味な男が、かつて高校時代に別れてしまった美少女とふたたび結ばれた、という王道ストーリーのその後……を、負けたライバルポジション(※女)の視点で、しかも主人公すーくんは名前のみの登場としてみたらどうなるか、といった試みだったのです。


 いやー、短編では特に、未冬ちゃんのヒロインとしての評判はすこぶる悪かったですよねw (今も…かどうかはわかりません!)

 彼女、どれだけ愛されても足らない女なんだと思います。そのうえ「好き」の定義もカッチリした線引きがない。それから、自分を必要としてくれる人に飢えている。とてつもなく。

 彼女が茉侑子を振ってすーくんと結ばれた一番の理由は、「住吉を救えるのはきみだけ」と向後くんに唆されたからです(本編にはありません。前述のボツエピソードの一つです)。

 もちろん、彼女のいう「エゴ」でこどもを欲しがっていたことも事実なのですが、それよりも、かつての初恋の人が、大学に行ってもモテず、彼女もできず、就職してもいまだに自分との思い出にすがっていたと知らされて、いてもたってもいられなくなったんです。茉侑子を切り捨てたのは、必然であったと言わざるを得ない……。


 本当は、その答えに茉侑子が自力でたどり着けたら良かったのかもしれません。

 けど、「未冬ってひどいよ」と言ってくれるおせっかいな人がどうしても茉侑子には必要だったんだと思うようにしています。そうでなきゃ、茉侑子があまりにも救われないので。



◆茉侑子と未冬はセックスをしていたのか? ということについて


 大事なことだと思うので(?)、ちょっと考えてみました。

 近況ノートのほうで、茉侑子のほうがタチなの? というご質問をいただいたり、というか作中の未冬の夫(住吉)が「百合えっち…?」に脳内支配されてたりしましたからね!

 結論からすると、していなかったのではないかと思います。抱きしめあったり、キスをしたり、くらいのことはしていても、それ止まりだったと思うんですよね。

 そうなると、茉侑子はレズビアンというより、男性に性愛を向けられない女性であり、同性相手ならまだ触れられるタイプ、というほうがより正確な気がします。

 こんなことは本気で悩んでる人には絶対に言わないですが、私(作者)は、茉侑子に対して『ごちゃごちゃ言わず、一度自分を抱いてくれる男性を探してみたらどうだ?』と思ってます。ひどいかな。ひどいだろうか(わたしの倫理観が)。

 作中キャラクターはだれもそんな言葉を投げつけてないので、つまり私以外はみんな茉侑子に優しいってことだ。幸せになってね!



◆反省点について


・主に青川まわり!

 作者心情としてはポッと出の男ではなかったのですが、いかんせん出番が唐突でした。

 そして詩歌ちゃんの正体はなんだろう? みたいな展開をやっていて、「答えは主人公を知っている未登場キャラの妹でした〜」というのは、推理ものとしては最悪でした。……いや、これのジャンルは推理ものではなく恋愛ものですけどね。


 改善策としては、せっかく住吉パートがあるのだから、そこで名前だけでも登場させれば良かったなと思ってます。

 それを実行したところで、あくまで自己満足ですけど、ずっともやもやが引っかかっているので……。


・学園編

 この物語は学園ラブコメをベースにしているので、その部分を途中に過去編として挟もうとしたことがありました。しかし、どうも面白くできそうになく、あえなく断念。

 最後の悪あがきとして、エピローグを書き終わってからプロローグを書きました。そのプロローグは、茉侑子・高校生時代の一人語りのような内容です。絵里さんを登場させられたので、わりと満足です。


・ボツネタ

 正直いっぱいありますね!

 青川×住吉のしょーもないネタはいくつかありましたが、入りませんでしたね。

 あくまで大筋のストーリーは茉侑子と未冬の話だから、この二人の絡まない話を長々するのは良くないな、という思いがありました。


 しかしながら、書いたけどボツにした中にはがっつり未冬が絡むものがあります。先程も例に出した、向後が未冬を唆したというエピソードです。こちらは、若干手直しして番外編にいたします。

 ボツにした理由の一つに、これ以上住吉を持ち上げる話を入れたら、うざいんじゃないかな? というものがあります。ですので、住吉死ね! と思われてる方はご注意願います。

 振り返ってみると、未冬より住吉こいつのほうが人たらしな気がします。いいやつですからね。私(作者)はイヤな人間なので、「普段、自分なんかほんと大した人間じゃなくてぇ🥺 とか言いつつ、ちゃっかり女孕ませた実績あるのエグいてw」と炎上覚悟の物言いを本人にぶつけそうですが、そしたらこの人は、怒らない代わり真面目に諭してきそうなので、ヤツパリ……イヤですね。


◆さいごに

オドループ11周年おめでとう!

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