第3話 天丼は三回まで


「うわあああ!? ゆ、夢!?」


 また仰向けで床で目を覚ました。

 思わず叫んだけど多分夢じゃない。

 耳鳴りはしないけど音が頭に残ってる。何が起こってるんだ?


「てかそもそもここどこだよ……」


 一回ちゃんと見回してみよう、何か分かるかもしれない。

 薄暗くて良くは見えないけど、流石に石レンガしかない部屋ってことはないだろう……ないよな?

 白無地だったらわかるけど、わざわざ石レンガ作りの部屋に何もないってことはないよな?


「あっ」


 誰かいる。そこに立ってるわけじゃない。

 さっきまでの俺と同じみたいに、仰向けで床に寝転がっているジャージ姿の女の子がいる。

 黒髪で、ポニーテールだ。おかげで首がよく見える。

 自分のは見れないから、俺の首のやつと同じかどうかはわからないけど、女の子の首にもチョーカーっぽい何かが付いている。


「あ、あのー、大丈夫ですか?」


 一応、失礼の無いように敬語で声をかけてみる。

 見た感じ、息はしてそうだ。

 上下両方とも運動服っぽいジャージだし、身長とか顔付き的に、俺と同じで高校生くらいか?


 眠っているのか、反応は無い。

 聞こえないふりしてるとかないよな?

 もう一回だけ声かけてみるか。もうちょっと近づいて……


「すいませーん」


 あ、目開いた。


「きゃあああ!?」

「うぎゃん!?」


 いってぇ!?

 鼻殴られた!? 何のためらいもなく右ストレートで!?


『ギュイーン』


 うん? この音、なんかデジャヴ……


『ドオォォンッ!!』




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