誰にとっての〝聞き分けの良い子供〟なのか

怒られるより褒められたい。だから褒められることをしよう、と思うのは当たり前の心理かと思います。
小さいうちはなるべくそのような行動を心がけて、反抗期あたりで疑問を持って、そうして自分で考え成長していく……というのが多くの人ではないでしょうか。
ですがこの主人公は、早い段階で自分で考えることを放棄してしまいました。疑問を抱いてもなかったことにしてしまいました。

そうして生きてきた人間は、他人の示してくれる道がなくなった時どうなってしまうのでしょうか。

〝聞き分けの良い子供〟だったから身からすると、読んでいて主人公に共感することができます。ですがその分、もしかしたら自分もこうなっていたかもしれない、と恐ろしさも感じられるお話でした。