第2話 真昼の月
「すぐ、ホテルに行く? それともバーで呑む?」
そう、アファエルが言うので、
「ちょっと、デートしたいな。ダメ?」
いたずらっこぽく、笑うわたし。
「まぁ、時間あるからイイけどね………」
チラッと、腕時計を見るアファエル。
「よかった。どこ行こうか?」
丸投げしてみると、
「行きたいところが、あるんじゃないの?」
まぁ、わたしがプランを考えないとだよね。
「彼氏と行きたいところは、たくさんあるの」
色々と、妄想してヨダレを流す。
「彼氏とね」
フッと、ため息を出すアファエル。
「そう。ディズニーに行きたい」
一応、王道のコース。
「最近行った? ディズニー」
そう、アファエルが聞くので、
「いいや、一人で行くと寂しくなりそうだから。アファエルさんは?」
あまり、みじめにはなりたくない。
「ディズニーは、時々行くよ」
意外な答えを言うアファエル。
「彼女と?」
おそるおそる聞く。
「いや、ママ活。彼女は、最近つくってない」
あっさりと答えるアファエル。
「そうなんだね」
「この店、来たことある?」
周囲も薄暗くなり、路地裏の隠れ家的なバーまで案内するわたし。
「いや、このBARははじめてかも」
店の、外観をながめるアファエル。
まぁ、酔っていたらわからないよね。
「いらっしゃい」
ドアを開けると、カウベルが鳴り、マスターが声をかけてくる。
「マスター久しぶり」
わたしが、そう言うと、
「あぁ、今日は彼氏さんと?」
しばらく来てなかったけど、覚えてくれていたみたいね。
「うん、まぁ、そんなとこ」
テキトーに、誤魔化す。
「常連なんだ?」
そう、アファエルが聞くので、
「時々、1人で。呑みたい日に」
正直に答える。
「ふーん、そうなんだ」
「なんか、推しと一緒に呑めるなんて、夢みたい」
自分のほほを、ポンポンと叩くわたし。
「夢ねぇ………」
鼻で笑うアファエル。
「夢なら、さめないで欲しいわ」
そう言いながら、カクテルを口にすると、
「それ、ホストにも同じこと言ってないか?」
と、つっこまれて、
「んぐッ、ゲホッゲホッ。気管に入ったじゃない」
飲みものが、違うところに入ったじゃん。
「あぁ、ゴメンゴメン。図星だったか」
半笑いのアファエル。
「図星じゃないわよ」
なんなのよ!
「シーッ。他のお客さんが」
カウンターから、振り返るアファエル。
「あっ、すいません」
後ろのお客さんに、あやまる。
「普段、どんな呑み方してんの」
さらに、つっこむアファエル。
「いつもは、1人でさみしく………ってほっといてよ」
なに言わすの。
「どうせ、普段はマスターにグチばっかりこぼしてるんでしょ」
「うるさいなぁ………まぁ、その通り当たっているけどさ」
マスターを、チラッと見る。
「マスターも、いつもごくろうさまです。もう、グチは言わせないので」
真剣な顔で、マスターに言うアファエル。
「いえ、大丈夫ですよ。いつでも」
ニコッと、笑うマスター。
「ホラ、いつでも聞いてくれるってよ」
腰に、手を置いてふくれるわたし。
「よかったじゃん」
グラスを、傾けるアファエル。
「よかったわよぉ」
ああ 彼にはレースで最速を目指してほしいの 見ているだけでキュンキュンしちゃうな♥️♥️(アファエルの軌跡) なばば☆ @bananabanana1E
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