第16話

そこには日常の学校の部活の様子がまざまざと描かれていた。

バスケ部の練習風景である。

男子生徒がゴールにシュートを決めていた。

「上手いもんだな」

声がして後ろを振り返ると壮真が立っていた。

優希は突然で言葉も出ない。

「こんな風に描いてもらうと頑張ろうって気になるよ」

優希は耳の端まで赤くなっている。

「あ、ありがとう」

壮真は再びコートに戻った。


優希が描いていると、入り口から女子生徒達のボヤく声が聞こえた。

「あーあ、お母さんが目が見えないんじゃなきゃ告ってたのにぃ」

「私だって即彼女になってたよ」

「宮田君ってカッコいいのに、あーあ残念」

それを聞いて優希はムッとした。

お母さんの事と宮田君の事は別じゃない!

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