第13話
「へえー。それは良かったな」
颯が感心したように言った。
"それで早速店の看板に"夕方から手話の出来るスタッフいます"って書かれてた"
颯との会話は筆談である。
颯はゆっくり話すようにしていたから、心は唇を読む事が出来た。
颯はファミリーレストランでバイトをしてい
た。
十六夜のメンバーは殆どが学校の後でバイトして接客や厨房を学んでいた。
今日は日曜日である。
心と颯は図書館に来ていた。
1週間のおさらいである。
毎日実習があり、バイトもあるため平日の復習は難しい。早朝にオムレツを上手に焼けるように練習するなど、実習で上手く出来なかった所を自主練習していたが、それだけでは補えなかった不明な点をお互いに勉強していた。
「俺はフォンの取り方。手順がイマイチ分からなくてさ」
「仔牛?鶏?」
「仔牛」
"ああ、それは…… "
心はメモに書き出した。
「ありがとう。心は?」
"俺は2番だしの使い方がイマイチ"
「ああ、確か味の濃い煮物に使うんじゃなかったか?」
"煮物か……ありがとう"
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます