第12話

「ちょっと!森田君!」

その日の夜、皿を洗っていたらウェイトレスが厨房に飛び込んで来た。

「森田君、一緒に来て。お客さんが来てるんだけど耳が不自由な人みたいで手話?で言うから全然通じなくて!」

心はその客の前に行った。

"いらっしゃいませ。御来店ありがとうございます。ご注文をお伺いします"

"良かったー!手話出来る人がいて。

あのね。若鶏のグリル焼きとパエリア"

"畏まりました。少々お待ち下さい"

そして心は注文の料理名を書いたメモを貼り付けた。

「やるじゃない」

歩実はそう言うと明るい笑顔を見せた。

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