第11話

芝生の上にペタンと座り込んだわたしのお腹の前で、北斗の顔がじろりとわたしを見上げた。


鋭くて、少し灰色がかった狼みたいな瞳。


昔はもっと、穏やかな目をしてたんだけどなあ…。


…てか、そうじゃなくて!






「いってえなあ!何すんだよ!」


わたしが急に立ち上がったことで、北斗は地面に激しく頭を打ち付けた。


銀色の頭を押さえながら体を起こし、ギロリとわたしを睨む。







「勘違いされたら困るの!」


「は?なんでだよ?」


「だって…もし渋谷くんも勘違いしてたら…。」






恥ずかしくて、消え入るような声でそう言ってしまった。


だって、北斗と恋愛話とかしたことないし。


恋をしたのは、初めてだし。


なんか恥ずかしい…。


まあモテモテの北斗は、飽きるくらい経験があるんだろうけど。

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