第29話 旅の準備

キリエは初めての依頼を終えギルドへ報告していた。


「ウニコーン、討伐してきたんですね!

町の入り口で門番に預けてきたと。

わかりました。後はギルドの者が運びます。

報酬は状態を確認してからになるので明日またきてくださいね!」


「わかりましたわ。お願いしますわね。」


報告を終えたキリエは宿に帰ってご飯を食べすぐに眠ることにした。


_______

「おば様。お世話になりましたわ。

今日でこの町を出ることにしますわ。」


キリエは宿屋の店主へ昨日の分の宿泊費を支払った。


「そうですか。

ここに来た日からずいぶん顔色が良くなりましたね。

またいつでもいらしてください。

美味しいご飯を用意して待ってますね。」


キリエは宿屋を後にしてギルドへ報酬を受け取りに行った。


「ごきげんよう。

ウニコーンの報酬を受け取りにきましたわ。」


「おはようございます。

報酬ですね。少々お待ちください。」


「あのギルドのことだからな...

難癖つけて結局満額なんて貰えないんじゃないかな。」

アクリョーはギルドのことを全く信用していなかった。


「こちらが報酬になります。

ウニコーンの品質はもちろん、冷凍して鮮度まで保ったままで依頼人の方が色をつけてくださりましたよ!

銀貨1枚と追加の孔銀貨15枚です!」


「誠実な仕事だな!」


「ありがとうございますわ。

ところで、ビーストベルトへ行くにはどうしたらいいですの?」


キリエは次の目的地をビーストベルトに決めたようだ。


「ビーストベルトへ行かれるんですか!?

ウニコーンを軽々倒せる方ならそれも頷けますね!

少々お待ちくださいね...」

受付嬢は地図を取り出した。


「今いるヒコウの町から真っ直ぐ東に行くと地図上では最短距離でビーストベルトに行けます。

ですが見ての通り南山脈があるのでそれは選択肢に入らないでしょうね。


ガトー王国からビーストベルトへ行くには南山脈が終わる場所、中立都市シカトラを目指すことになります。


シカトラへはここから北へ行けば着くのですが、ずっと森を通ることになります。

途中からににトロワ村という小さな村があるくらいですね。」


「なるほど。情報感謝しますわ。」


「いえいえ!お気をつけてください!」


キリエはギルドを後にした。


「結構大変そうな道のりだな。

またずっと森ばっかりで町もないんだろ。」


「そうですわね。色々準備しなきゃですわ。

馬車とか欲しいですわね。」


「今の予算じゃ流石にそれは無理じゃないか?

冒険者登録してなければそれくらい余裕だったかもだけどなー。」


町の中心地へ行き、馬車を売る店を探した。


「馬車を売ってくださいまし。

もちろん馬も一緒にですわ。」


「どういった種類がよろしいでしょうか?」


「1番安いのならおいくらですの?」


「そうですね。馬車が銀貨10枚。

馬が銀貨20枚でセットなら28枚におまけしますよ。」


「だから言ったろ。そんな安いもんじゃないんだよ。

たぶん冒険者は普通馬車なんて持たないと思うぜ。

家にあったからって当たり前だと思うなよ。」


「そ、そうですのね。

もう少し検討してみることにしますわ。」


キリエは店を出た。


他に旅に必要な物を買い足して昼にはヒコウの町を発つことにした。

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