悪い子
改札前で待っていた時、連絡をしようとした瞬間。見たくない物を見てしまった。歌舞伎町で火災が起きたと。目撃情報によると、黒っぽい服を来た20代の男だったそうだ。おそらく、火鶴のことだ。まだ何人か中に居るそうだ。成功した、ということだろう。少し嬉しくなってメールを開くと、もうすぐで着くと送られていた。電話がかかってきた。
「ごめん。間に合わないかも。3人につけられている。どうにか撒いてから行く。ちょっと待ってくれ」
「大丈夫なのか?何か、俺に出来ることあるか?」
「先に向かっといてくれ。あとから合流しよう」
「死なんでくれよ。マジで」
「もちろん。楽しみにしてる」
そう言って電話が切れた。とりあえず向かうことにした。不安で仕方がない。手に跡ができるほど握りしめた。
結局あいつは来なかった。隣の空いた深夜バスで1夜を明かした。全然眠れなかった。ループをしてる中で見つけたマイナーなJPOPをずっと聞いていた。
函館に着くと、思っていたより寒くなくて、少し服を着すぎたなと思った。通知音がした。急いで見てみると、明日函館に着けるから待っていてと言われた。手にはこれから先も残りそうなくらい大きな跡ができていた。安堵で少しお腹が減ってラーメンを食べた。少しだけ観光をしてあいつを待った。ホテルで1夜を過ごした。コンビニで買った菓子パンを食べて函館港に行った。
「楽!久しぶりだな!」
見た事ないくらいの笑顔であいつはバスを降りてきた。高校生2人が行方不明となった事件は、ニュースでちょっとだけ流れた。
永遠に君を願おう @norito0202
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