第57話 バトルジャンキーで草


「シド様ご健闘を!」「兄様ファイト!」「シド頑張れよ」「瞬殺してやれ!」「ガンバ!」「気張って!」


 あらかじめに伝えていたいつものメンツが激励してくると周りにちらほらと集まり始めた。

 布告はされていないが教会の武の象徴である聖騎士に憧憬の念を抱いてる奴も多いから聖騎士の後をつけて来たと言う感じか。

 得物は違うが両者共に量産機なので外からパッと見ただけではただの演習にしか見えないので特段興味を引く者でもないからな。


『ふむ変わった武器を持っているな……。では始めるか』


 聖騎士に照準を定め、準備万端で待っているとついに開始の合図が来た。

 盾と剣を構えた聖騎士に向けて乱射する。


『むう!?』


 初見で対応できず、そのままバラバラになるかと思ったが肩パーツの一部を欠けさせながら盾を前に押し出して耐えた。

 鎧の装甲をブチ抜くらいには威力が高いのだが、神聖力で強化された盾には及ばなかったようで凹ませる程度で防がれている。

 こちらも神聖力で強化するかと思うと聖騎士の盾に神聖力が集中し、盾型の光の塊が飛んでくる。

 ガトリングで迎撃して削れていくが、光の密度が濃い中央付近は弾かれてこちらに接近してくる。

 重量の重いガトリングを持ったままでは避けきれないので放棄して避ける。

 光の塊はガトリングに着弾すると爆発し、吹き飛ばした。

 ガトリングは硬いアイアンゴーレム製なので無事だが今の位置からかなり離れた場所に吹き飛ばされている。

 悠長にそっぽを向いて取りに行ったらやられるのは想像に難くない。

 考慮せずにガトリングなしで行くしかないか。

 腰にある剣と盾を装備する。


『全く同じ条件となったな。血が疼くわ!』


 バトルジャンキーの気があるのか、同条件──もろに実力がぶつかり合う状態になったことに聖騎士が歓喜の声を上げた。


   ───


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