第45話 ノーダメージで草


 黒い鉄球が飛んできたのでうち落とすと爆発することもなく普通に割れた。

 魔族の方がこちらと同じく実弾兵器を作ったのかと思ったがそうではなかったようだ。

 何が狙いなのかさっぱりわからないが敵がワラワラくるので乱射を続ける。


『今の球の中には自分の親が入っていたのよ! ねえ親を殺すってどんな気持ち?』


 すると先ほどまで光剣が突き刺さってダウンしていた黒鎧が立ち上がってこちらに向けて迫ってきた。

 言葉からして先ほどの黒球はこちらに精神的なダメージを負わせるのが狙いだったらしい。

 ミラならまだしも父親──エドランに碌な印象を持っていない俺にはそれは効かない。

 思うことといえば、ミラが少し困るなくらいだ。

 エドランが真っ当な人間であればもっとあるだろうが、あのおっさんから聞いたのは罵倒でもらったのは暴力くらいだからな。

 死んで今までの恨み辛みがチャラになったくらいで、悪いなとは思わない。

 全くもってノーダメージだ。

 個人的には清々したといってもいい。

 エドランが死んだことでカマッセイ家の当主とか面倒な問題が生じてしまったが、今は迫ってくる黒鎧に対応しなかればいけないのでそれは戦いが終わった後に考えることにしてマシンガンで攻撃する。

 黒鎧は避けるかと思ったがそのまま突っ込んできて、マシンガンの餌食になった。


『クスクスクス!』


 大破せずに黒鎧の体が抉れているだけな上、即座に再生しているところを見ると精霊と同じで普通の攻撃では壊せない類の奴か。

 精霊は普通の攻撃には耐性が高いが、弱点属性はもろに効くのでこいつに効きそうな属性で攻撃しなければならない。

 ストーリーでは出てこなかった奴だが見た目と先から闇で出来た触手を伸ばしているところを見ると闇精霊で光が有効か。

 マシンガンに神聖術で光属性を付与すると連射する。


『クス──ヒギャアアアアアアアアアア!!』


 通用しないと高を括っていたようでモロに受けて体中が穴だらけになると吹っ飛んでいく。

 五つの光剣に貫かれても平気だったようだが、何十発も叩き込まれるのは堪えたらしく、空中で体をドロドロに溶かして闇になると消えた。

 闇の精霊の消滅時の演出は見てないのでやられたのかは不明だが、少なくともこれでここでもう戦闘はできないだろう。

 大量沸きの魔族の鎧の殲滅に映ることにする。


   ───


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