第15話
「それで筋肉痛?情けないなー」
真瑚はそう言って笑った。
真瑚の笑顔はまるで陽が差したように明るい。
「小室君、演技に妥協しないからねー」
宮本真瑚は同じ森越学園の1年生である。
以前に共演したドラマがキッカケで仲良くなった。
真瑚のマンションのリビングのソファーに座って2人は話をしていた。
「あいつは本物だから」
大河の声が硬くなっている。
「大河も本物よ」
真瑚はジッと黒い瞳で大河を見ていた。
「本物かどうかは人が決めるの。あなたじゃない」
真瑚はゆっくりと言い聞かせるように言った。
「真瑚」
大河は思わず真瑚を抱き締めた。
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