強敵

300ポイントを獲得してから数日後、いつものように会社を運営していると、ドアが勝手に開いた。少ししてからアリーニナが足音に気がつく。

「レイ代表!透明化した人が待合室に向かっています!」

こっちに向かってきているようだ。足音が大きくなってくる。透明化はqドームの技術に依存していて、qドーム管理団体に透明化の製品のほぼ専属契約を結んでいる。

と言うことはqドームの汚職を知ったと言うことがバレてしまったと言うこと。

「まだ猶予はあると思っていたんだが…早いな」

「アリーニナ、どうにかできるか?」

「流石に…透明な相手に勝てる自信がありませんよ。相手がB級以上なら時間稼ぎにもなりません。」

「仕方がない、ポイントを使おう。相手が人なら記録チームの装備が通用する。」

記録チームの装備には特徴がある。それは主に脳の感情や自我に該当する部分に干渉できると言うことだ。

コンピュータ搭載の腕時計に急いで入力し、装備のロックを外す。

「20ポイント使用、脳波感知ゴーグル起動」頭の中で声が鳴り響く。

「おおーあまり使ったことはありませんがすごいですね、結構はっきり相手が見えます。」

「呑気だな、相手が目の前にいるんだぞ」

そう俺が言うのとほぼ同時に相手が入ってくるのが見える。

相手は暗殺を諦めたようでこちらを説得したいようだ。

「俺はA級の便利屋でソンブラと言う大企業に所属している!お前たちでは私に勝てない!投稿しろ!」

私が言い返す「なぜ私たちを襲う、誰から知った」

「それは君たちがqドームの汚職を知ってしまったからだ。それはアビークという男に教えてもらった。大丈夫、君たちにはここ数日の記憶を消してもらうだけだ!」

嘘だ、わざわざ手間のかかるやり方を金をかけてドームがやるはずがない、アビークも拷問され、今はもう死んでいるだろう。

それに気づいたアリーニナが激昂し即座に攻撃をはじめ、相手も反撃する。

アリーニナも高価な0gシリーズの刀を使っているが、完全に透明でゴーグルでも神経が通ったものでないと見えないので、予測するしかない相手の刀に防戦一方だ。

「レイ代表!」

必死に刀で攻撃を防ぎつつアリーニナが助けを求めてくる。

そう言っている間にも、アリーニナの体には切り傷がどんどん増えていく。

こうなったらもっとポイントを使うしかない、今度は相手の心に負荷をかけることで相手の思考をしばらく止めるテーザー銃を選択する。

「50ポイント使用します、対精神テーザー銃の使用を許可します。」

相手の神経めがけて引き金を引くが難なく弾かれてしまう。全く助けになっていない。

相手もこちらの力量を把握したようで、アリーニナへの攻撃が激しくなってくる。

アリーニナは常に回復薬を使い、ポイントを消費して思考速度の底上げとスーツから出るガスによって相手の思考を鈍らしているが、それでも敵う相手ではないようだ、片腕が切り飛ばされている。粘ってはいるが、10秒も持たないだろう。

勝負に出るしかない、装備を選択する。

「250ポイント使用します、電磁波遮断ヘルメットと電磁パルス放射手榴弾の使用を許可します。」

この手榴弾を使えば、相手の思考する際に送る信号そのものを1時間ほど遮断することができる。

ロックが解除されるとすぐにスーツから手榴弾を取り出して投げる。相手は投げられた後で手榴弾の存在に気づき、私の手に刀を投げ突き刺すことで直撃を回避した。しかし爆発した瞬間数秒は思考ができなくなったようで、アリーニナに倒された。

私もアリーニナも満身創痍となったが、どうにか抑えることに成功した。

相手を縛ると二人とも眠ってしまう。

私とアリーニナの残りポイントは残り1だ。

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ドーム 至福一兆 @ouzi

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