スラムでの戦闘
スラムに入っていくと、後ろをついてくる車があった。
「アリーニナ」
「はい、早速ですね。車を失うわけにも行かないし、一度降りますか?」
「ああ、そうしよう」
エメリヒがきょとんとするような顔をしたので説明する。
「これはおそらくスラムによくいる追い剥ぎですね。日々の暮らしのためにやっていることだから彼らは殺人を厭いません。」
そう言っていると車から男が一人降りてきた。アリーニナが警告する。
「それ以上近づいてきたら攻撃しますよー!」
男は構わずに近づいてきて言う
「お前らレイとアリーニナか?大人しくこっちに…」
爆発音とともに男の首が落ちる。
いつの間にか4次元カバンから取り出されたフラッシュ社の刀はジェットがついていて先手を打つべきこの状況にピッタリだ。
男の仲間達が車で突っ込んでくる。
「うおっと、これはちょっと危ないですね。レイ代表、エメリヒ、下がっていてください。」
そういうとアリーニナがカバンから何かを取り出し、窓を狙って鉄球を構えた。
アリーニナの腕からキュインキュインと機械的な音が鳴る。彼女の肉体に埋め込まれたモーターが鳴る音だ。彼女は肉体を改造している。
猛烈な勢いで彼女の腕からゴキリと言う音とともにボールが放たれる。
「痛っっ!やっぱりこれを使うと反動がすごいですね…」アリーニナが関節を入れ直す。
鉄球は窓を突き破って車内に入り、跳ね回る。Gドームの技術によって作られた鉄球はエネルギーが尽きるまで速度を変えずに反射する。密室である車内はたちまち鉄球に蹂躙され、男達は頭を割られ、内臓が破裂して口から血を吹き死亡した。
コントロールを失った車があらぬ方向へ走り去っていくのを見送って、俺は考える。
あの男達は俺たちの名前を知っていた。
おそらく別の記録チームが競争相手を減らしに差し向けてきたのだろう。
まあやることは変わらない、死なないように依頼を達成するだけだ。
より一層顔の暗くなったエメリヒと充電の切れた血まみれの鉄球を気持ち悪そうに持つアリーになを車に乗せ、依頼された場所へ向かうため、ここでコネを持つスラムの同業者の元へ向かう。
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