「調査室にて」

結晶蜘蛛

「調査室にて」

 私は拷問官をしています。

 拷問官ですから、当然、人から秘密を聞きだす仕事をしています。いまのところ仕事を失敗したことはないのです。

 というわけで今回は反乱分子の男を拷問することになりました。彼はひときわ反抗的で、中々、仲間の口を割らないそうです。

 私が事情聴取するために部屋に入ると彼は「ついに政府も手詰まりか? お前みたいな線の細いおんなを寄越すなんて」といいました。

 ところで、私は紅茶が好きなので、先ずは一杯どうですか?と聞きました。

 戸惑ってる彼の口にティーポッドの尖端をねじ込み、熱々に沸騰した紅茶を流し込みました。

本当に紅茶はいい香りがしますね。

そして、私は尋ねました――「もう一杯いがかですか」と。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

 「調査室にて」 結晶蜘蛛 @crystal000

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る