白き龍の刻印

水色

エピソード 0



前兆は昔からあったのかもしれない



不思議な感覚を感じやすかったり


家の庭で、小さな白い蛇を見たり


夢がいつも鮮明に残りやすかった



家の目の前に大きくそびえ立つ木があって


そこにもたれかかって、

木の鼓動を感じるのが好きだった


光のない真っ暗な場所から、

星を見上げるのが好きだった


全ての世界は生きてる気がしていた



自然と神様の存在を


なんとなく信じて生きていた





17の時だった



元旦の初詣の帰り道に交通事故に遭った


飲酒運転した外車が、右折待ちしていた

私達の車に正面からぶつかってきた


大好きだった両親も、

仲良かった一つ違いの姉も、


一瞬で私の目の前からいなくなった



しばらくは夢を生きているのか

現実を生きているのかわからずに佇んでいた


生きる全ての意味を失った




私の中で、


神様の存在が真っ白な世界になって


消えた

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