黒妖精ランジェヴァン
Hiroe@七七七男姉
不吉な妖精
「…なぜそんなところに寝ておったのだ。邪魔でしょうがないぞよ」
「あ? んな、邪魔とかって…ワイは至って純粋に、この自分の部屋で寝てただけだわい」
で、そこへあなたが急に落っこちて来たんじゃんか。やたら美人な、おねーさん。
そう、いまからほんの数分前…突如、このミニの魔女風ドレスなんぞ纏った若い女が、就寝中の我が身の上に降ってきたのだ。
「ふんッ、好きで落っこちてきた訳ではない。たまたま吾の
「くっ…貧相で死にたくなるようで悪かったなッ」
このアパートの一室の中、いまや自分と向き合う形で座った女に対し、とりあえずワイは反撃を試みる。事実はともかく。
だが、それより何よりワイが気になるのは、
「で、なんだい…いきなり人の部屋に降ってくることといい、その魔女みたいな格好といい、はたまた『脱出ルート』やらといい、説明してもらおうじゃないか、キレイなおねーさん」
そう、それらについてだ。
「あいや『魔女』などと無礼なッ。しかもなぜ吾が、お主のような愚かな人間どもに説明などせねば…」
ぐきゅるるる〜っ…(レトロな空腹音)
「…うむ、ならばそうだな。なにか食べさせてもらえれば話してやろうではないか」
打って変わってライトな調子。その長い黒髪を払いつつ、彼女が
うぬぬ、なんだこの女。いきなり人んちに降ってきた上に、食べモンまで要求してきやがった。
でも、この期に及んで何の説明も聞かんのは、ワイの
という訳で、
「しゃーない、待ってな。今なにか作るから…」
同じくして立ち上がると共にワイは、片隅のキッチンへと向かった。
黒妖精ランジェヴァン Hiroe@七七七男姉 @138148
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。黒妖精ランジェヴァンの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます