乙女ゲームの転生悪役令嬢様は、百合ルート目指して全力で攻略中にて！

プロローグ

ある日、自分が帰り道でトラックにひかれて死んでしまったら？

そして、目が覚めたら知らないベットで横たわっていたら？

そして、ここは前世プレイしていた乙女ゲーの世界だと知ったら？

そして、自分がその世界の、いわゆる悪役令嬢だと知ったら？

ははっ、そんなことないって？

あるんだよな～それが。

私、神崎 沙美、改め「ユリット・フェリー」は、悪役令嬢として転生しました！

私だって、はじめはただの夢とか妄想かとか、そうゆうのだと思っていましたよ？

だって受け止めたくないじゃないですか？

悪役令嬢ですよ？悪役令嬢。

たいていのお話で死にますよ？

このお話も悪役令嬢、どのルートでも死にますよ？

ちなみに、私が転生してきた乙女ゲーの名前は、

「魔法学校物語～君と共に歩む未来～」

題名はシンプルで、内容もいたってシンプル。

平民の女の子が、本来、貴族以外が持っていないはずの魔法を扱え、

なおかつ数少ない光魔法を扱えるため、急遽、国からの命令で、魔法学園に入り、

そこから待ち受ける困難を、攻略対象たちと共に乗り越え、

真実の愛を見つける物語。

王道中の王道だが、逆に最近では、こんな王道の物語も

あまり見かけなくなっており、

逆に新鮮で、かなり人気のある作品だ。(あくまで私の意見)

そして私、ユリット・フェリーは、そんなヒロインの恋の邪魔をする存在。

平民のくせに光魔法が使えるだけで、周りからチヤホヤされるのが気に食わず、

ヒロインに何かと突っかかってくるため、婚約者であり、この国の第2皇子であり、

今作のメイン攻略対象である、「セフィア・カタリエス」に、

婚約破棄されてしまう。

でも、彼女は皇子を深く愛しており、婚約破棄されたことで

深い悲しみと怒りの感情が沸き上がり、

悪役令嬢お約束の、チート級の強い魔力が暴走し、

魔女として覚醒し、ヒロインと攻略対象の前に立ちふさがる

ラスボスとなってしまう。

ある一定の条件を満たしておくと、少しは救いのあるエンドとなるが、

どんなエンドでも、最終的には死んでしまう。

私だってもちろん死ぬのは嫌だ。

なんでせっかく物語の世界に転生できたのに、数年やそこらで

死ななければならないのだ。

前世で寿命を全うできなかったのだから、今回は、長生きしてやる。

......それに、前世ではこうゆう悪役令嬢に転生しました～みたいな物語で、

悪役令嬢が死ぬなんて作品はなかった。

だから、大丈夫。さぁ、行こう。

明日は、入学式。

ゲームの開始だ。