嘘つき
咲夜
1
P1
少し開いたカーテン。
薄暗い部屋。
床に落ちた服と、身体に感じる脱力感。
そして
_______ブーブー
なかなか止まらないバイブ音を無視する男。
「…ねえ、うるさいんたけど」
「...んー、めんどくさいな」
言葉通り面倒くさそうに伸びをした彼は画面を見ずに電源ボタンを押した。
だけど数分後また鳴り出した携帯。
小さく溜息をついた彼はやっと携帯を耳元に付ける。
「...んー」
『お前、なんで電話でないんだよっ』
スピーカーにしていなくても聞こえる聞き覚えのある声。
相変わらずうるさいな。
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