第15話 男性看護師あるある 2

居酒屋の扉が開き、翔太と田辺部長が遅れて入ってきた。みんなの目が彼らに向けられる。


「おお、遅かったじゃん!翔太、師長も。」

美里がにっこりと笑いながら声をかける。


「すまん、ちょっと仕事が長引いてな。」

師長が少し苦笑いを浮かべながら席につく。


「じゃあ、乾杯の続きをやろうか!」

恵が言うと、みんなが再びグラスを持ち上げ、乾杯の音を響かせる。


「さて、何か面白い話でもある?」

師長がグラスを手にしながら、周りを見渡す。


「あー、最近、またセクハラ患者が増えてるんですよね。ほんと、どうしてこういう人たちっているんだろう。」

美里が嫌悪感を示しながら言うと、恵も頷く。


「ほんとに。患者さんって、あたしたちのことを看護師ってだけで『そういう対象』として見てるんですよね。」

彩香が手を振りながら、嫌そうに話す。


「だから、師長、セクハラ患者には翔太を担当にさせてるんですよね?」

美里が部長に目を向けると、部長がにやりと笑う。


「まあな。翔太なら、セクハラをされても、男だから逆に『しようがない』って思われるだろうし、うまく処理してくれるからな。」

師長が軽く肩をすくめる。


「それ、確かに!男の看護師って、セクハラの対象になりにくいってのはあるもんね。」

恵が笑いながら言うと、他のメンバーも賛同の笑顔を見せる。


「でも、俺も毎回『またお前が担当かよ』って顔されて困るんですけどね。」

翔太が苦笑しながら、グラスを傾ける。


「でも翔太、ほんと助かってるよ。セクハラ患者にあたると、どうしても対応が難しいじゃない。こっちも気を使って接しないといけないし。」

美里が感謝の気持ちを込めて言うと、恵も頷きながら同意する。


「そうそう、翔太がいるおかげで、私たちは少しは楽だもん。」

彩香がにこやかに言うと、翔太はちょっと照れくさそうに肩をすくめる。


「友達からハーレム野郎って言われるけど、実際はそんなことないっすよね。」

翔太が自嘲気味に笑いながら言うと、周りが笑い声をあげる。


「えー、ハーレム野郎?翔太ってそんなキャラじゃないじゃん!」

彩香が驚いた顔をして言うと、恵も笑いながら話を続ける。


「だよね。翔太は、男として見れないもんね。」

恵が冗談っぽく言うと、みんなが笑いながら頷く。


「うーん、男性として見られてないのはわかるんですけど。周りはそうは思ってくれなくて、毎回その手の話になってくると、どうしていいかわかんないし。」

翔太が苦笑しながら言うと、他のメンバーは笑いながら同意する。


「そうだよねー、翔太はむしろ『男らしくない』ってよく言われるもんね。男としての魅力って…あ、いや、逆に安心するのよ。気を使わなくていいから。」

彩香が笑いながら言うと、部長も楽しそうに笑う。


「お前ら、ほんとに翔太をからかうなぁ。まあ、俺も『俺の翔太』みたいに言ってるけどな。」

師長が楽しげに笑いながら、翔太を軽く肩で突っつく。


「師長、どうしてそんなに翔太に厳しいんですか?」

恵が冗談っぽく言うと、部長はちょっと真剣な顔をして言う。


「いや、翔太みたいな奴がいないと、病棟が回らないんだよ。あいつがいるだけで、あの空気が穏やかになるからな。」

師長が少し真面目な口調で言うと、翔太は照れくさそうに頭をかく。


「いやいや、そんな大げさに言わないでくださいよ。みんなのおかげです。」

翔太が笑いながら答えると、みんなが再びグラスを持ち上げる。


「まあ、いろいろあっても、翔太がいるおかげで楽しいし、助かってるよね。」

美里が穏やかな笑顔で言うと、みんなも頷きながら乾杯を交わす。


「じゃあ、これからもお疲れさま!これからも一緒に頑張ろう!」

彩香が元気よく声をあげ、みんながグラスを高く掲げる。


------------------------------------------------------------------------------------------------


ここまでお読みいただき、ありがとうございます。もしこの作品を楽しんでいただけたなら、ぜひ評価とコメントをいただけると嬉しいです。今後もさらに面白い物語をお届けできるよう努力してまいりますので、引き続き応援いただければと思います。よろしくお願いいたします。


こんな小説も書いています

呪医の復讐譚:https://kakuyomu.jp/works/16818093089148082252

命をつなぐ瞬間:https://kakuyomu.jp/works/16818093089006423228

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る