己をかえりみることのできない者に降りかかる悲劇とは

幼いころから他者を蹴落とし、ズルをしてでも自分がちやほやされることだけを望んできた春絵。
彼女は意外にも身の丈にあった結婚をし、一女を設け、平凡ながらも幸せな家庭を築いたかに見えたが――?

自分が愛されている・満たされていると思えばおだやかでいられるが、
それを得られないと途端に他者に牙をむく、いわば自己価値を認められない困ったちゃんが主人公。

序盤では彼女の悪行がこれでもかと描き出されます。
これほど、主人公が「ざまぁ」されてほしいと思える小説も珍しい!

そんな主人公をばっさりと切り、真実を突き付けるのが、タイトルにもなっている「阿修羅ちゃん」。
猫耳パーカーの美少年で、職業は占い師というか、スピリチュアルカウンセラー的な何か。
しかし彼の言葉が春絵の心に届くはずもなく、セッション代を踏み倒して去って行きます。

春絵に降りかかる不幸とは!?
ゆっくりとのぼってゆくジェットコースターが落ちるのを今か今かと、手に汗握りながら読む感覚がクセになります!

現在3万5千字ほど読んだ感じだと、ホラーといっても「ヒトコワ」タイプのような気がします。
ですので血みどろ系ホラーが苦手と言う方もぜひ読んでみてください!