初めての下校
今、僕は美少女2人と下校中である。
どうしてか、って?、、
あの後、無事誤解は解け、それぞれ健診を終わらせた後下校の際に笹丸さんに下校のお供に誘われ、今に至るというわけだ。
左には笹丸さん右には柏森さん。しかも2人とも美少女。誰かと下校するのも久しぶりなのに、美少女2人と。。考えれば考えるほど緊張してくる。
「いや〜今日も頑張りましたね!!偉いです!私たち!貴一くんは学校の生活には慣れました?」
笹丸さんが話し始める。話しかける際、ちょっと姿勢を低くしてこっちをクルッと向く笹丸さん。
「う〜ん。そうだね。ちょっと慣れないところもあるけど、大体は。やっぱり羽坂高校ってだけあって、なんだか色々スケールが大きいから大変かな。」
「そうですよね。私、中学で見たことないもの沢山ありますもん!!学校の中のコンビニとか、、シャワー室付きの更衣室とか、、トレーニング設備とか!!」
トレーニング設備まだあるのか、、。本当にこの学校はなんでもあるな。今度使ってみようかな。。。
「うーんと、、他には、、、、そうだ!プール!ありますよね!プール!!私、プールで泳いだ事なくて!!楽しみなんですね!!」
「そういえば、笹丸さんの学校はプールが無かったって言ってたよね。羽山高校のプールは大きいらしいからね!楽しみだね。
でもさ、、まだ4月だよ?気が早くない?」
まだ、外は冷たい風が吹いていて、長袖を着ていても肌寒い。
「いいや!そんな事はないですよ!人生楽しみは沢山あればあるだけ良いですから!!あ〜プールプール〜!!」
なんだか急に深い事言うな笹丸さん。
目をキラキラ輝かせ、楽しそうに話している。
「プール大きいんですかね!!思いっきりパタパタしてもぶつかりませんかね?あ〜本当に毎日ワクワクでいっぱいです!!」
ルンルンに話している笹丸さんを見ていると頬がたるんでいくのを感じた。
ふと我に返り、自我を取り戻す。
そういえば柏森さんがあまり喋ってないな。。と思い横を見る。
笹丸さんとは全く異なり、なんだか不機嫌そうな柏森さん
誤解は解けたといえど、笹丸さんという超純粋で美少女な幼馴染の下着姿を下着姿で歩き回っていた奴に見られた直後に一緒に下校だ。やはり、あまりいい気はしないのだろう。
なんだか気まずいので一応話を振っておく。
「柏森さんはプール泳いだ事あるの?」
「え、、あ、、私も泳いだ事無いかな。歌音と同じ中学だったからね。歌音途中で転校しちゃったけど。」
「そ、そうなんだ。。でも、良かったね。また笹丸さんと柏森さんがこうして同じ学校で出会えたわけだし。」
確か前、笹丸さんに話を聞いた時、遠い中学出身だと言っていたはずだ。高校で再開したのは、まさに奇跡と言ってもいいくらいだろう。
すると、柏森さんがさっきと比べ満面の笑みで語り始める。
「そうなんだよね!それ!!こうして歌音とまた再会出来てる。あ〜〜それにしても私、なんて幸せなんだろう。本当に私と歌音は運命で繋がれてるのかもしれない。」
急にここまで情緒を変えられるとどう反応していいのか分からない。。
笹丸さんの方を向き、助けを求める。
「あはは〜、、私たちの仲だもんね〜」
流石の笹丸さんでも苦笑いだった。。
「もう!!歌音ー!今何言ってるんだろうって思ったでしょ!!」
後ろから笹丸さんに抱きつく柏森さん。
「未有ちゃん!!ちょっと!!えへへへ〜」
恥ずかしそうにしつつも、柏森さんを振り解くわけではなく、イチャイチャし続ける2人。
これが女子特有の絡みってやつか。まさに、尊い。。
「んふ。ンフフフフ。。」
「かーのーんーー♡」
「それで!!歌音ちゃぁんはドウ思ってイタノカナ??オジタン気になっちゃうなぁ」
なんだか柏森さんところどころオジサン成分が滲み出てないか?女子高生、、?
すると、急に笹丸さんが柏森さんの方を向き返り、今までイチャイチャしていた手を柏森さんの方に置く。そして、ピンッと姿勢を伸ばして話し始める。
「未有ちゃん!!私は、未有ちゃんのそういうところも含めてとっても素敵だと思います!だから、、全然そんな事ないよ?」
キュンンンンンンンン!!
柏森さんのハートの音が聞こえたような気がした。柏森さんは口を小さく開け、天使を見るような目で笹丸さんのことを見ている。まさに、トロトロにとろけているという言葉が相応しい。
それにしても、あんなに真面目な顔でそんな事。。反則だろ。笹丸さん。。
なんであんなに純粋なんだ笹丸さんは。。
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純粋で無垢な彼女は僕のことを「君は純粋だね〜」とニヤァしてくる。いや、君の方!純粋すぎるの!! ll_l_l!新葉 文 @ll__l_l
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