第2話

小さな村で育った。



小柄な母と温厚な父のもとで

毎日、田畑を耕し

その合間に剣術を鍛える。




いつ妖が現れてもいいように…








産まれた時から

妖の被害は当たり前で

元々この世に現れるなど

稀なことだったのだと

父から何度も聞かされてきた。



けれど、そんな言葉さえ

疑ってしまう程に

当たり前のように現れる奴ら。






もう、そんな世に慣れている。



異形の妖たちが一番に襲うのは

いつだって女や子供






子供の頃に出会った妖は

女を貪っていた



あれほど衝撃的なことはなかった





はじめて人の死を

間近で見たあの頃は

何日もまともに食事が喉を通らず

いつか自分もあぁなるのだと

怯えていた。

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