田舎の遊び

@kenta12345

プロローグ

プロローグ


「——知ってた? 都会に住んでたら、登校で、田んぼ道を歩かないんだよ」

「分かってるってぇ。寝坊したからって、アタシに言い訳すんなよー」


 同郷の此代 神奈と、田んぼに囲まれた道を歩きながら。

 僕は、

「だからこれは、遅刻じゃないんだ。都会だったら、セーフだったんだ」

「いや、遅刻は遅刻だって」

「鶏がね? 今日は鳴かなかったんだよ。隣の家の」

「だから遅刻したって? 言ってんじゃんかぁ。鶏をアラームにすんのは辞めろって」

 自然のアラームで目覚める。それが気持ちいいんだ。

 でも、神奈に迷惑をかけてしまったので、そこは反省。

 神奈に、


「待っててくれたお返しに、ジュース買ったげる」

「おっ、自販機行く?」

「帰りにね。とりあえず、まずは」


 学校に行かないと。

 僕は満点の青空を見て、ふと思う。

(今日も、良い天気だなぁ)

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