黒の魔法陣
神殿の中に入ると司祭様と呼ばれた若いイケメン男性が僕達の事を案内してくれた。
「私は司祭のノウエルと申します。本日はよろしくお願いします」
そう言いノウエルはテキパキと行動を開始した。
うわ~、若いのにしっかりしてる〜。それにめちゃくちゃいい声してるじゃん。
僕がそんな呑気な事を考えていたらいつの間にか祭壇の間に来ていた。
神様と思われる彫刻の前に円形の台座がある。
凄い厳かな雰囲気…。
「ここでスキルの儀を行います。儀の際は御子息様一人でここにいて頂く事になります」
何だって!?こんな可愛い幼子を一人にするなんて……。
この人でなしー!!
「アル一人、ですか……」
お、アイシルも流石に不安だよね。可愛い我が子を一人にしたくないよね?
「まぁ私達の時もそうだったらしいし別に良いわよね」
「そうだな。それじゃあ司祭様、早速お願いします」
え、えぇ。二人の時から幼子一人だったんだね…。
ええい!どうとでもなれ!
「それでは早速スキルの儀を開始したいと思います。御子息様をこの台座に乗せて頂けますか?」
台座の上に乗せられるんだ…。
「アル、神様に失礼の無いようにね」
「いいスキル貰うんだぞ!アル、頑張ってな!」
二人はそう言って僕を台座の上へ乗せこの部屋を去っていった。
「それではスキルの儀を開始致します」
司祭様、ノウエルはそう言って詠唱を開始する。
「数多の神を率いる主神ノア=テルよ。彼の者へ神の寵愛を…神怪帝魔法〘ギフト〙!」
そうノウエルが唱えると台座の周りに魔法陣が展開され青色の光が僕を囲む。
凄い。これが神の力……!
「うあえ?」
なんか段々眠くなってきた……。神様と会うためなのかな?
僕がそう意識を手放そうとしたその時―――――
不気味な力を感じた。
「な、何が起こっているのですか!?」
気づけばノウエルが叫び、僕を囲む魔法陣とその青色の光が消えていた
それに比例していく様に別の魔法陣が僕の周りに展開されていく。
「黒の魔法陣………」
ノウエルが呟くと僕の消えかけの意識は消えた魔法陣の様にに消えていってしまった。
女の声と共に
『悪いけど君はボクのだ。ノアの物にはさせないよ。だからボクがスキルを授けて上げる』
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