好きな女性のタイプって?あの愛のセリフ、忘れません!

冒険者たちのぽかぽか酒場

第1話 男性は、どんな女性にひかれるんですか?別れても、彼は彼女のことを。彼女のほうも、彼のことを…良いカップルじゃないか!

   (いみエモ話)

 意味がわかると、エモイ話。

 あなたは、この話の意味がわかりますか?

    ☆

男性は、どんな女性にひかれる?

 「やさしい人」

 「強い人」

 「いつも、俺を見守ってくれる人」

 思い返せば皆、彼が別れた彼女に望んだことだった。

 「…あいつ、どうしているかな」

 彼女とケンカ別れしてしまったことを、今もくやむ。

 「…腹、減ったな。これ、フライパンで炒めて食うかな」

 キノコの切り株入りの鉢に、目をやる。

 さみしさをまぎらわせるのにもらった、彼の良きアイテムだ。

 「食おう」

 のろのろとおもむろに立ち上がる、彼。

 そのとき!

 別れた彼女から、彼のケータイまで連絡がきた!

 「…お久しぶり。私がいなくても、ちゃんと自活できてる?さみしさをまぎらわそうとしてか、キノコの鉢植えをもらったでしょ?」

 「…え?」

 「それ、水やりすぎです」

 「…え?」

 「じめじめした場所に、自然に置いておけば良いから」

 「ちょ」

 気味が、悪すぎ。

 今は、彼の生活を知らないはずの彼女。

 なのになぜ、彼がキノコの生える切り株入りの鉢植えをもらったことを知っているんだ?

 どこかで、見張っているのか?

 別れたうらみの、ストーカー?

 「あのさ。そのキノコ、食べちゃダメだからね?絶対に!」

 言われ、ムッとくる彼。

 「何だよ、あいつ!もう、食べる気がしない!」

 が…。

 やっぱり、反省。

 「あのときは、ごめん。今はただ、ありがとう…」


   (この話の意味)

別れた彼女は、なぜ、こんなに彼のことを知っていたのか?

 彼の、ストーカーになっていたから?

 いや、ちがう。

 「そうだ!あいつ、俺のブログを見ていたんじゃないか?キノコの鉢植えをもらって毎日水をやっているとか、だから知っていたんだ…」

 その通り。

 以前、彼は彼女に言っていたはず。

 「君には、いつも俺を見守ってくれる女性であってほしいな」

 そうそう。

 それが、彼の思う心ひかれる女性の条件。

 彼女は、その言葉を忘れていなかったんだよ。

 だから、彼のことを…。

 見張るじゃなく、見守ってくれていたんだ。

 せっかく生えてきたキノコは、毒キノコでした。

 彼女の言葉で、食べなくて助かったね。

 「あのときは、ごめん!やり直そう!」

 彼女のもとに走っていったのは、言うまでもない。

エモいなあ。

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