第3話 - 緑の目の男

イテバがミカにささやいた。


「あの怪しい男にやりたいようにやらせておくと、緑の杖まで奪われるでしょう。森を守らなければなりません。」


「私が先に攻撃する。」


「退かなければ魔法を使うしかない。」


イテバが若い男に叫ぶと同時に。


「ピンブレーカー!」


ミカが先制攻撃を加えた。


ピンブレーカは大地を裂く物理魔法だ。

ミカの指先から強烈な光が出ると、若い男の方に地面が3つに分かれ、ずっと伸びていった。


「そういうふうに出たら仕方ない。」


若い男は風になびく緑色のマントの間から両腕を前に伸ばし、強い口調で話した。

彼が何か呪文を唱えると防御壁が張られ、ミカの攻撃は防御壁に阻まれ消えてしまった。


イテバが急に叫んだ。


「ロドネク·サモンズ!」


地面の上にぼやけていたほこりがひらひらと飛びながら回転し始め、ものすごい元気が噴き出した。

周辺の空間が大きく揺れ始め、地中から家ほどの大きさに頭が2つもついた犬が突然湧き上がった。

その犬は緑の目の男を見てうなり続けた。


驚くべき光が歴然とした若い男の緑の目。


「行け!ロドネク!」


ロドネクは空中を飛ぶように猛烈な勢いで走った。

緑の目の男は後ろを宙返りしながらロドネクの前足攻撃を避け、ロドネクはしばらく立ち止まってくらくらした。


男は両手を高く上げて呪文を唱えた。


「広い大地よ! 私の手に君の根の力を垂らして束縛の紐になれ!」


両手から黄金の光がざあざあ吹き出し、地面の下でいくつかの亀裂が起き、ロドネクの周りに集まり、突然「バン!」と緑の植物の太い根が湧き上がり、ロドネクの体をぐるぐる巻きながら地中に引きずり込んだ。

ロドネクが引き込まれた周囲に黄金色の丸い円がまぶしいほど輝き、ロドネクの姿は見えなかった。


"なかなかだね。"

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