伝説的な女流歌人の激動の人生を通して描かれる、「心」への讃歌
- ★★★ Excellent!!!
すごく面白かったです!!
ライトノベルのスタイルで大河ドラマをやる、というところがまず斬新でした。(皆さんは「大河ラノベ」という言葉の並びを見たことがありましたか? 私は初めてでした!)
ストーリーも、史実と脚色をバランスよく織り交ぜて、ライトノベル的な高い娯楽性を保っていたのが印象的でした。
主人公・与謝野アキコに、親友の山川トミコ、ライバルの平塚ライチョウ、先達世代のボス・森オウガイなど、歴史に名を残す文化人たちを生き生きと蘇らせていて、近代文学の世界を身近に感じられました!
中でも個人的には、山川トミコとの友情と離別が深く心に残りました。
アキコの一生を追いながら、日露戦争や関東大震災、二度の世界大戦と、この国の進んだ道のりを描く、「歴史もの」としての面白さがありました。
それと同時に、より普遍的なテーマ――人はなぜ文学をするのか、人は何のために生き、何のために愛するのか、についての描き方がすごく好きでした。
そこで印象深かったのが平安時代編です。
アキコの敬愛する『源氏物語』の作者・紫式部(カオルコ)と、『枕草子』の作者・清少納言(ナギコ)を中心とした物語が、作品全体のスケールと奥行きをぐっと増したと感じました。
敗れても、失っても、心は、想いは残る。
それを遺し、繋げることで、誰がが救われる――それは千年先かもしれない。
アキコもライチョウも、カオルコもナギコも、みんな大切なものを失う、戦いに敗れる経験をしてきたキャラクター達で、だからこそ彼らの信念が尊く感じられるんですね。
そして、エピローグで現代にバトンを繋ぐ、というラストに、すごく良い余韻を感じました。
与謝野アキコというキャラクターを通して、どんな過酷な時代をも生き延びる文学や人の心の美しさを感じました!
素敵な作品をありがとうございました!!
また次の作品も読ませて頂きます♪