第20話
ところが、そんな彼の心のある部分に、何か消し難い陰が生じていたことを彼は認めざるを得なかった。
それはあの日、つまり二度目の
こちらの言うことは理解していている。しかし、|拒絶|・斜視・無声によって人間とのコミュニケーションを閉ざしている。代わりに犬との意思疎通を許している。彼の日常に転がっていた自由財たる無価値なコミュニケーションをいざ断たれてみると、雄吉は
時の人ならばこんな取るにも足りぬ非同調は全く無視をして構わない。雄吉も忘れるよう自身を仕向けるのだが、何故かあの日の陰は雄吉の心を捉えて離さなかった。同意が得られなかった悔しさではない。安っぽい
あの地に足を向ける度に、前時代的タバコ屋の
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