第16話
返済義務から解放されたのは、既に借金の2倍以上働かされていたところ、彼女を雇っていたオーナーが千鶴同様、他にも未成年者に売春を強要していたことが発覚し児童買春罪で逮捕されたことからだった。
未成年者である千鶴は一時警察に保護された。しかしすぐに家に戻された。一人ぼっちの千鶴には
再び飛び地に身を沈めた彼女は18の早春を迎えていた。皮肉にも世に言うところの
世間を意識したかどうか怪しいが、
性風俗での強制労働で人慣れするどころか対人恐怖症を強めていた彼女は、できるだけ人と関わることを避けたかった。菓子と対話するぐらいなら自分にもできるだろうと考えた。そうして仕事を始めたはいいが、
お
そこでは体の接触からさらに進んでキスや
「それならもう明日から来なくていい」
と
性風俗で働いた千鶴だから男性の性に対する偏愛は嫌という程見てきたが、他の女の子が手慣れてくるとやっていたようには彼女には男性を手玉に取ることはできなかった。
この管理職から
アルバイトの失職に会社はいちいち理由など求めない。千鶴も争う勇気を持つに至る遥か以前でところで深い溝に叩き落とされ、また彼女の
彼女が
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