十月三日 八時 木曜日 佑也
いつも通り学校は開校だった。
七時三十分には生徒玄関が開く。
それに合わせて登校する。
教室には毎度のように一番最初に来た。
他に誰のいない教室はどこか趣がある。
自分の席に座り今日の授業の準備をしている間に続々とクラスに入ってくる。
朝の会が八時十分から始まるのに対し、八時にはまだクラスの半分程の人しか埋まらない。
蓮がきている様子はまだない。
「おはよう。」とクラスに入ってくるものもいれば「あぶねー間に合った。」というものいる。
だんだんとクラスは賑やかになっていく。
朝の会が始まるチャイムがなり、立って喋っていたものは自分の席へと移動していく。
蓮の席は空席だ。
そしてもう一つ空席がある。
教室の扉が開き、担任の先生が入ってくる。
「おはよう。」
先生の声に皆息を合わせて
「おはようございます。」
と言葉を返す。
「今日休みの子いる?」
「蓮がいませーん。」
蓮の席の後ろの男子が声をあげる。
自分の左側から
「…………」
と小声で聞こえた。
空耳かと疑いを掻き消すように
「今日もいませーん。」
ともう一つの空席を指さす男子がいた。
「今日は二人で大丈夫かな。」
確認したあと、体育祭も近づいてきたから体調に気をつけてねと締めて朝の会は終わった。
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