第8話

綺麗で広い日本庭園を横切る


本当、ここどうなってるんだろ



「恭佑」


恭ちゃんが名前を呼ばれその低く響く声に足を止める


「嗣也(つぐなり)」

不機嫌そうに、今度はその人の名前を恭ちゃんが呼ぶ


「おいおい庭を横切るなよ迎えの車使え」


菅原組敷地内の菅原邸から、庭を見ていた菅原組の組長、菅原嗣也

その後ろに護衛を何人も従えてる




身長は178cmくらいのガタイの良いオジサン

年齢は50歳前後くらい……


杖を常に持ち、髪の毛は2、3cm程の白髪の短髪に白いスーツ姿。


その片目は義眼だ


気配と言うのか、気迫と言うのか……

半端なく背筋が凍る程のモノを感じてしまう。






「それで林檎、昨日の恭佑とのSEXはどうだった?もえたか?」


その低い声で今度は私をからかう様に試す様に、話し掛けてくる


「嗣也、セクハラ」


恭ちゃんの声色それに眼の色と温度が冷ややかに変わる



「俺は、林檎に聞いてんだよ。俺考案の子作りルームは良かったか?ってな、」




私は恭ちゃんのTシャツを掴んだ手に力を入れ


「私は恭ちゃんが居れば何処でもいいので」


組長の目を真っ直ぐに捉え聞き返されない様に丁寧に答える




すると

「ははははははははは…………」


凄まじい笑い声が響き渡り



「はははは、気に入った。……いや、最初から気に入ってるんだがな」


重い空気を蹴散らす様にトーンが変わり


「さすが和毅の血を引き、またその息子の恭佑に選ばれた女、聞いてた通り肝の座り方が並じゃねぇな」



"聞いてた通り"………??



私の不思議そうな顔を見た恭ちゃんが


「嗣也」


と、組長を止めた



「ああそうだったな、悪かったよ。けど……約束しただろ?恭佑。お前が大事なモンは

俺ら家族全員の宝だ、それに林檎お前も家族同然だ」



その組長の言葉に恭ちゃんの殺気が下がって行くのが分かった




「後でまた」


恭ちゃんはそう口にして組長の前を通り過ぎた

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る